Jリーグ年間MVPは「家族に捧げたい」神戸FW武藤嘉紀が壇上で感謝…「苦しい経験が僕を強くしてくれた」
2024Jリーグアウォーズが10日に開催され、今シーズンの明治安田Jリーグにおける年間最優秀選手賞(MVP)が、ヴィッセル神戸に所属するFW武藤嘉紀に決定した。同選手は初受賞となる。 2024Jリーグアウォーズで表彰を受けた武藤は、「まずは2024シーズンを盛り上げてくださった選手の皆さま、各チームのファン・サポーターの皆さま、そしてJリーグ開催のために尽力いただき、多大なサポートをいただいたスポンサー企業の皆さま、本当にありがとうございました」と冒頭に感謝を述べたうえで、MVP受賞に至るまでの道のりを振り返った。 「J1のMVPという歴史と名誉ある賞をいただき、心より嬉しく思います。僕は一見、華やかな経歴に見えますが、多くのケガ、挫折、紆余曲折を経て、今があると思っています。ヨーロッパでは、1年間以上ベンチに入ることができず、家を出るときのドアが非常に重く、そして帰り道には泣きながら、『Mrs. GREEN APPLE』さんの『僕のこと』を大熱唱して、運転したことを今でも鮮明に覚えています。しかし、そういった苦しい経験、逃げ出したくなるような経験が、僕を人としても、サッカー選手としても強くしてくれたと、今では感じられます」 そして、常に自身を支えてくれたという家族に対しての心からの感謝を壇上で伝えた。 「これまで僕自身で、一人で乗り越えられたことは何一つありません。僕を支えてくれた家族なしでは今の僕はないと思っています。まずは両親。底抜けに明るく面白い父、気高く、強く、『いつどんなときでも良くも悪くも謙虚でいなさい』と言ってくれた母、5人兄弟ですけど、一人ひとりに多くの愛情を注いでくれました。そんな2人の子どもに生まれたことを僕は誇りに思っています。本当にありがとうございます。そして、妻と子どもたち。サッカー馬鹿な僕にいままでついてきてくれて、本当にありがとうございます。単身赴任で月に1回帰れるかわからない僕ですが、子どもの誰か一人でも熱や風邪をひくと、うつるわけにはいかないと言って、キャンセルしてしまったり、腰を痛めたらダメだということで、抱っこや肩車もしてあげられませんでした。授業参観、幼稚園の行事、何一つ見てあげられることはできませんでしたけど、そういった自制があって、このような素晴らしい賞、Jリーグ2連覇、天皇杯優勝ができました。それは家族の支えがあったからこそだと思います。このMVPという賞は家族に捧げたいと思います。最後になりますが、来シーズンからさらに成長できるように、地に足をつけて、慢心せず、日々努力し、これからも邁進していきたいと思っています。本日はありがとうございました」 FC東京でプロキャリアをスタートさせた武藤は、その後マインツ(ドイツ)、ニューカッスル(イングランド)、エイバル(スペイン)の欧州3カ国でプレー。2021年に神戸へ加入して国内に復帰すると、2023年、2024年のJリーグ2連覇、天皇杯優勝に貢献し、今シーズンの年間最優秀選手賞(MVP)に選出された。
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