「あんたを信じた私がバカだった」…ビリギャルが日本の親たちに伝えたい「たった一つのお願い」
「あんたのことを信じた私がバカだった」
本来は子どものうちに、いっぱい失敗すべきです。子どもには、感情が強く動き、記憶に残るような人生において重要なイベントが日々起こります。友達と喧嘩した日やテストで初めて100点を取れた日、失恋した日……。そのときに重要なのが、「周囲の人間がどのようなリアクションをするか」です。これがその後の彼らの認知を左右します。 以前、講演会で私の話を聞いてくれた学生さんがこんなことを言いました。 「さやかさんの講演を聞いて、大学受験を頑張りたいと思いました。でも私は、失敗するのが怖いんです」 その子は中学受験で、第一志望に合格できず、第二志望の中学校に通うことになった生徒さんでした。その子がいま通っている学校も、偏差値も高いし、すばらしい学校です。だけどその子のお母さんは第一志望の学校に落ちたとき、「あんたのことを信じた私がバカだった。あんたの塾代にいくら払ったと思ってるの」と言ったそうです。その子は「それ以来、失敗するのが怖くなってしまった」と泣きました。 子どもが失敗を「悪」だと認識してしまうのは、周りの大人のリアクションのせいです。受験して不合格だったとき、親がその結果だけを見て本人を否定したり不必要に落ち込んでしまったりしたら、「失敗することは悪である」と本人が捉えるようになるのは無理もありません。 望んだ結果が得られなかったとしても、「でも1年間頑張ったおかげで、1年前に比べたら想像もできなかった世界に来れたよね。あなたがこれだけ成長して、いろんなことを学べたんだから、これは成功だよ」と言ってあげられる人が、その子の周りに1人でもいれば、そんなトラウマを抱えることはなかったはずです。 親御さんは、「結果」ではなく、「プロセス」を見て子どもたちに言葉をかけてあげるべきです。そうすれば、マシュマロタワーに果敢に挑んで天才的な能力を発揮する子どもたちのように、心理的安全性が確保された状態でどんどんいろんなことにチャレンジして、ずっこけながらでも成功体験を積み上げ、様々な可能性を開いていけるはずです。 競争社会で何でも順位がつけられてしまうような世の中ですから、せめて家庭の中だけでも誰かと子どもを比べるのはやめましょう。他人ではなく、過去のその子といまのその子を比べ、成長を喜んであげるのが一番です。 親御さんもきっと、長期的に子どもの幸せを考えたとき、「結果」を重視して子どもの自信をそいでしまうのか、「プロセス」を見て子どもの自信を育てるのか、どちらがより効果的なアプローチなのかはわかるはずです。それなのに、つい短期的に物事を見て子どもに言葉をかけてしまうことで、結果として子どもたちが「もう成功しなくてもいい。それよりも失敗したくない」と自信をなくしてしまうのは、親御さんとしても残念なのではないでしょうか。
さやか
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