”泣こよかひっとべ!!”方言の魅力を伝える作家
鹿児島弁、まさかフランス語と相性が良いとは。思わず口ずさんでみたくなる音の響き。本には赤ちゃんから耳で楽しめる言葉遊びが詰まっています。故郷の言葉を大事にしてほしい。そこには、こんな思いが・・・。 (植村紀子さん) 「今風の言葉で言うと多様性っていうのですかね。鹿児島弁っていう、私たちの地元の言葉を馬鹿にしたり、蔑んだりする風潮だと、お隣さんの国の言葉とかも蔑んだり、馬鹿にしたりに繋がっていく。地元の言葉を、まず尊敬して好きになると言うのが大げさに言うと世界平和に繋がっていくのじゃないか」
植村さんが作家を志すきっかけとなったのが学生時代に出会った「ことばあそびうた」先月92歳でこの世を去った、日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんの作品です。「鹿児島弁で出したい」と詩を書き溜め、なんと谷川さん本人に聞いてもらうチャンスが訪れました。 (植村紀子さん) 「目で見るより耳で聞いた方が面白いですね、本にされるときはCDをつけた方がいいですよと言って下さって」
完成した本の帯には谷川さんの言葉が。 “掘り出されたばかりのサツマイモみたいに無骨だが、焼きたての、さつまいもみたいにおいしいことばたち、懐かしい声がひそんでいる、昔からの暮らしの匂いがよみがえる” その後も谷川さんとの手紙や電話でのやりとりが、創作の原動力に。今年9月、新刊の出版を電話で報告したのが最後の会話となりました。 (植村紀子さん) 「”しゅんたろうさーん!”って呼んでしまったら”そんなに声を張り上げなくても大丈夫。心配してくれてありがとう”って」
■滋賀からきた修学旅行生とのまさかの出会い!!
「耳で聞く方が面白い」谷川さんにそう評された鹿児島のことば。ここからは植村さんの語りでお届けします。 今月、「鹿児島」をテーマにした作品の合同展示会に参加しました。ここで思いがけない出会いがあったんです。滋賀県から修学旅行で来ていた中学生。
(中学生) 「国語の担任の先生がこれを推してて」 なんと私の作った「鹿児島ことばあそびうた」を読み鹿児島弁を学んできたというのです。 (植村紀子さん) 「すばらしい鹿児島アクセントだ」