「もし、地下鉄で大地震に遭遇したら…」命を守るために“絶対にやってはいけない”5つのこと【保存版】
1月1日には能登半島地震が、そして8月8日には宮崎県の日向灘沖で大地震がありました。首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が警戒されている昨今、各家庭で防災意識は高まっていると思います。 【防災リュックに足したい】いざというとき心に寄り添う「7つの道具」って? 小学生の子どもがいるわが家でも、いま一度、地震対策について話し合い、その結果、夏休みの自由研究のテーマにすることに。特にうちの子はひとりで地下鉄に乗ることが多いので、地下鉄での地震対策について調べてみました。案外、駅や車内で被災したときの行動は知られていないので、参考にしていただけたらと思います。 なお、本コラムを作るにあたり、東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)の安全・技術部次長の木暮敏昭さんに監修していただきました。
注意点1 ホームにいたら大地震発生! いきなり逃げ出さずに、まずは身を守る!
ホームで電車を待っているときに大地震が発生! でも、慌てて近くの階段目がけて走り出すのは危険です。 まずは落ち着いて低い姿勢になり、近くの柱などにつかまって、揺れで線路に落ちないようにします。同時に、荷物で頭をカバーしましょう。もし近くに柱がなかったら、身をかがめて頭を守る姿勢をとるのでも良いと思います。 ちなみに大地震の際は、専用の地震計システムで強い揺れを感知して直ちに電車を停止させるので、乗客が非常通報装置で乗務員さんに知らせたり、ホームにいる利用者が非常停止ボタンを押す必要はありません。 そして、揺れがおさまったら避難を開始します。その際は駅員さんの誘導があるので、それに従うのが鉄則です。 「東京メトロでは、駅舎、トンネル等は震度7クラスの地震でも耐えるように耐震補強されています。天井や柱が崩壊するということはまずありませんので、落ち着いて行動してください」(木暮さん)
注意点2 パニックに陥ると危険! 駅員さんの誘導に耳をすませて
急いで避難をしたいからと、パニックを起こすことが最も危険。停電したとしても、非常灯がつくので安心してください。 避難時に必ず聞かなければならないのは駅員さんの誘導の声です。ハンドマイク、構内放送の両方に耳をすませましょう。 駅員さんは基本的に改札の外に利用客を誘導し、駅周辺の帰宅困難者受け入れ施設の体制が整い次第、そちらを案内をしてくれるそうです。駅員さんは駅はもちろん、その周辺の情報等、避難に必要な情報を収集し、それを踏まえて最も安全な誘導をしてくれます。 また駅員さんは救命救急の講習や、安全に避難誘導をするための訓練を受けているプロでもあります。自分勝手に行動するよりも、駅員さんの指示に従う方がはるかに安全です。 例えば、「1番出口の近くで火災が起きているので、2番出口から出てください」という駅員さんのアナウンス。それを聞き逃して1番出口を目指してしまったらどうでしょう!? そうならないように、落ち着いて駅員さんの声を聞きましょう。 また、大地震発生時、エレベーターやエスカレーターは停止します。ベビーカーを使っているママは、周囲の乗客の方の手を借りながら、安全に階段で避難しましょう。子どもがひとりで利用している場合、不安なら駅員さんにどうしたら良いか聞くといいですね。 また、親が子どもを災害時に迎えにいくことを想定して、「絶対にここで待ち合わせね」と駅構内の場所を決めていても、そこが火災等で立ち入れない区域になった場合等には出会うことができなくなります。GPSや携帯電話を持たせるなど、家庭内での対策も備えておきたいところです。 「被災時に最も怖いことは、お客様がパニックに陥ってしまうことです。走ったり、押したりして将棋倒しが起こったり、デマに惑わされたりするのは避けなくてはなりません。どうぞ落ち着いて駅員の案内に従ってください」(木暮さん)