カルロス・ゴーンの「年収16億円」が許せない…!日本の政治家が落ちる「少子化の罠」
なぜ子どもの「教育支援」に冷淡なのか…!
岸田文雄首相が肝いりで始めた「異次元の少子化対策」は、効果があるようには思えない。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 前編「「賃金」と「少子化」の対策がダメなのは「日本人の性格」が原因かもしれない…! 「賃金2倍」で日本に起こる「劇的な変化」」で述べてきたように、日本の少子化対策は、子どもを増やすことのほうが大事だと考えられており、子どもの教育におカネを投資して、国全体の生産性をあげることには、対して力が注がれていないように思う。 人的投資理論から言えば、教育費にお金をかければ、子どもが大人になった時の生産性が高まるのだから、子どもが増えるのと同じ効果があるはずだ。 極端なことを言えば、普通の人の100倍の生産性の人がいて、その人が100倍の所得を稼いで、150倍の税金を払ってくれるなら(累進課税だからそうなる)、人口減少を気に病むことはなくなる。 では、なぜ教育費をかけて生産性を上げれば子どもが減っても構わないと考えないのだろうか。
カルロス・ゴーンの報酬は高かったのか?
2つの理由が考えられる。 第1は、経済的な生産性と関係のない教育費をかける人がいる。たとえば、芸術とか個人は楽しめても国全体の生産性は高まらない教育もある。もちろん、それによって人々は幸福になっているのだから構わないと私は思うが、税金で行う事業ではないと考える人もいるだろう。 第2は、より大きな理由だが、所得の違いを生産性の違いと多くの人が考えていないからだろう。 例えば、1999年に日産の社長になったカルロス・ゴーンの所得を考えてみよう。彼が日産のCEOを辞める前の2018年度の彼の年収は16億5200万円で当時の経営陣の年収ランキングで断トツのトップだった。 では、ゴーンはどのように日産に利益をもたらしたのか。 部品の購入量を増やすとともに価格を20%引き下げた。あるいは、持ち合い株と不動産の売却で5000億円の利益を得た。また、工場の閉鎖で300億円のコストを削減し、販売店や取引銀行の数を減らした。 結果は大成功で、日産の業績はV字回復した。500円ほどだった株価は2007年には1400円を超え、株価時価総額で2兆円以下の会社が5兆円になった。 この差の3兆円はゴーンのおかげだから、彼の年間所得が100億でも構わないと私は思う。 さらに例を挙げると、テスラのイーロン・マスクイ最高経営責任者(CEO)に対する560億ドル(8.8兆円)の報酬が2024年6月15日の株主総会で承認された。 ゼロから始まったテスラの株価時価総額が1兆ドルになったのだから560億ドルの報酬は高くないという株主が多かったということだ。実際、この報酬が承認された後、テスラの株価は8%上がったという。