少年矯正キャンプで失態相次ぐ 事故死や逃亡再犯、政権は継続姿勢 NZ
【シドニー時事】ニュージーランドのラクソン政権が治安強化策の一環として導入した犯罪少年矯正のための「ブートキャンプ」で、参加者の交通事故死や逃亡中の再犯といった失態が相次いだ。 野党は中止を求めたが、政権は運用の改善を図った上で継続する姿勢を示している。 ラクソン政権は7月、凶悪犯罪で有罪となった10代の少年を対象に、軍隊式の厳しい鍛錬を含む矯正キャンプを開始。軍隊式鍛錬を終え社会復帰教育が行われていた11月下旬、参加者の1人が自動車で事故を起こし死亡した。 12月上旬、別のキャンプ参加者1人が、事故死した少年の葬式に参列後、逃亡。翌日には、さらに1人が姿を消した。数日後、盗難車に乗り刃物を所持していた少年4人を警察が逮捕したところ、逃亡した2人が含まれていた。矯正目的のキャンプ参加が、再犯につながる皮肉な結果となった。 最大野党の労働党は「キャンプは、もはや制御不能で失敗だ」として即時中止を要求。これに対しラクソン首相は、記者会見で「他の参加者の行動は良くなっている。改めるべき点は改めていく」と述べ、継続する考えを強調した。