『FLASH THE FIRST TAKE』9月度出演アーティストまとめ【TOOBOE/リーガルリリー/Myuk/idom】
『THE FIRST TAKE』の新企画としてスタートした『FLASH THE FIRST TAKE』。60秒という短い時間での一発撮りパフォーマンスに挑戦。アーティストが表現する一瞬、一瞬をダイレクトに感じとれるコンテンツになっている。 【動画】TOOBOE - 痛いの痛いの飛んでいけ / FLASH THE FIRST TAKE ここでは、9月に公開された動画をまとめて紹介する。 ■TOOBOE 「痛いの痛いの飛んでいけ」「錠剤」 今年6月リリースの「痛いの痛いの飛んでいけ」、テレビアニメ『チェンソーマン』第4話エンディングテーマ「錠剤」の2曲を披露したTOOBOE。2曲ともトリッキーな展開のトラックとなんとも言えない怪しげなメロディの組み合わせという不思議な中毒性のある楽曲を聴かせてくれた。「痛いの痛いの飛んでいけ」での高低差のあるメロディを慎重かつ大胆に歌いこなす表情や、「錠剤」の中盤に挟まるシャウトからフェイクへの流れで楽曲に入り込む瞬間など、アーティストが自身の楽曲をどう表現するかに向き合っている様子がしっかり映し出されているのが『FLASH THE FIRST TAKE』ならでは。堂に入ったパフォーマンスでありながらも、「あの白い空間に入るとやはり信じられないくらい緊張しました」という本人の弁のとおり、本企画らしいピリッとした緊張感も楽しめる動画として仕上がっている。 ■リーガルリリー 「キラキラの灰」「ムーンライトリバース」 「まさにライブで歌う時と同じ大切な気持ちで臨むことができました。」たかはしほのかのこの感想にこそ、60秒にそのアーティストの本質が注ぎ込まれる『FLASH THE FIRST TAKE』のあり方が凝縮されている。どっしりしたミディアムテンポの展開をベースに、ギターソロでは画面からはみ出さんばかりの躍動感のあるパフォーマンスを見せる「キラキラの灰」、いきなりのハイトーンから\"好き\"と畳みかけていくパワフルな構成が印象的な「ムーンライトリバース」。儚さと力強さをバンドサウンドで表現することに注力してきたリーガルリリーだからこそのカタルシスを感じられる動画が2本揃った。雄大なギターストロークとともに歌うたかはしほのかからは、不思議とこの企画特有の緊張感があまり漂ってこない。そんな動画の仕上がりからは、彼女が奥田民生やチャットモンチーのように、ギターとともにのびのびと自身のロックを表現するタイプの系譜にあることを教えてくれる。 ■Myuk 「Arcana (Eureka version)」「Arcana (Acoustic version) 」 今年リリースされたアルバム『Arcana』のタイトルトラックを「Eureka version」「Acoustic version」の異なるタイプで披露したMyuk。アーティストの声の魅力がしっかり伝わるのが『FLASH THE FIRST TAKE』の特徴だが、Myukの2本の動画はまさにそんな仕上がり。ポップスらしくまっすぐに歌い上げる箇所、民謡など土着的な表現からの影響も感じさせる節回し、あえて声を潰してインパクトをつけるパートなど、まさに変幻自在なアプローチを楽しむことができる。「Acoustic version」冒頭の「どうして自分がちっぽけだって思ったの?」という語りや\"過ちも間違いではないぜ\"といった歌詞など、楽曲全編を通じて酸いも甘いもかみ分けながら歌い手としての人生を全うしていこうという決意が表現されており、アーティストとしてのさらなる成長を予感させてくれる。 ■idom 「B.M.S.」 見ているとこちらも楽しくなってくるような朗らかな雰囲気で、7月リリースの「B.M.S.」を披露したidom。アーティストの生の姿、すなわち素材そのもののよさを堪能できるのが『FLASH THE FIRST TAKE』の面白さだが、「B.M.S.」冒頭のアカペラでの歌唱はまさに\"何も足さない、何も引かない\"とでも言うべきidomのスムースなフロウが楽しめて気持ちいいことこの上ない。\"いつか歳を重ねて 目も悪く耳は遠くなったとしても Stay by my side It’s forever\"という日本語と英語を行き来する歌詞も違和感なく歌いこなすボーカルからは、様々な言葉の音と意味を的確に捉えながらメロディにぴったりとはめていくidomの音楽的なセンスが滲み出ている。大きな身振りとともに甘い歌声を繰り出すパフォーマンスもまさに企画映えするもので、idomの魅力が存分に引き出された60秒間となった。 TEXT BY レジー
THE FIRST TIMES編集部