初登院も大はしゃぎで記念撮影、不倫騒動…各党が頭を抱える新人教育 政策本位の議論遠く
自民党や立憲民主党など複数の政党が、今回の衆院選で初当選した新人議員計90人超の指導に頭を悩ませている。新人議員の奔放な言動が物議を醸した例は過去にも多数あるが、今回も自民の新人議員2人が登院初日に撮影禁止の衆院本会議場内で記念撮影。一方の立民も新人議員の不倫騒動が週刊誌で報道された。与野党とも新人議員の指導・教育が十分とは言い難い。 【グラフでみる】先の衆院選で初当選した各党の新人議員の数 ■「何やってんだか…」 「議場での撮影が禁止されていることを知らず、本日、写真を議場内で撮影をしてしまいました」 衆院選で初当選した自民の福田かおる氏(東京18区)は11日、自身のX(旧ツイッター)で謝罪した。福田氏は特別国会召集日のこの日、本会議場内で同じく初当選した向山淳氏(比例北海道)にスマートフォンで撮影してもらい、笑顔で画像を確認する動画が拡散した。自民は13日の衆院議院運営委員会理事会で2人を厳重注意したと陳謝。自民ベテランは「何やってんだか…」と嘆息した。 自民はこれまで、派閥が新人議員の教育機関としての役割を担ってきた。だが、派閥パーティー収入不記載事件で、麻生太郎党最高顧問率いる麻生派(志公会)以外は解散。今後、新人議員の新たな教育体制の構築も課題だ。 ■議場内は防ぐも議場外で… 「雑事だが本会議場は携帯電話使用、通話は禁止。写真も一切撮らないで。被り物、スカーフ、マフラー、スニーカー、飲み物の持ち込みも禁止。しっかりルールは守ってほしい」。最多の39人の新人議員が誕生した立民の11日の会合では、さながら学校のホームルームのように事細かな注意事項が説明されていた。 この説明のかいもあってか、議場内では立民の新人議員のトラブルは起きなかった。ただ、議場外では14日発売の週刊新潮の報道で、矢崎堅太郎氏(千葉5区)の当選前のダブル不倫騒動が浮上。矢崎氏は千葉県議時代から野田佳彦代表に近く、先の衆院選では「自民党のウミを出し切る」などと訴えて初当選していた。矢崎氏は報道前に党側に自己申告し、小川淳也幹事長から口頭注意を受けた。 一方、衆院選で躍進した国民民主党は19人が初当選した。7日に新人研修を実施したが、新人を導く立場である玉木雄一郎代表自身が不倫騒動の渦中にあり、党の倫理委員会で調査される事態に。与党関係者は「すぐに非を認めて謝ったことだけは、新人の見本になったんじゃないか」とあてこすった。
30年ぶりに少数与党となり、これまでの野党によるスキャンダル追及ばかりではなく政策本位の議論が期待された国会。だが、今のところは相変わらずスキャンダルの話題に事欠かない状況となっている。(飛松馨)