2025年の新NISAは高配当株がますます狙い目! 14年連続増配の「NTT」に注目
2025年で2年目に入る新NISA。2024年に成功した人も、思うとおりにいかなかった人も、この機に内容を見直して、2025年はより良い運用を行いたいところです。あるいは、ちょっと出遅れて新NISAの活用はこれから、という人もいるでしょう。新NISAでの投資対象として、オススメなのが高配当株です。ただし、配当利回りが高ければいいというものではありません。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』から、高配当株を買う際のポイントを解説。さらに、優良な高配当株の例を紹介します。 【この記事の画像を見る】 ● 高配当株で新NISAのメリットを確実に得る! 「株主還元強化」の流れでさらに魅力的に 手堅く稼げる投資先として人気の高配当株。新NISAの投資対象としてもオススメです。新NISAのメリットを、最も確実に得られるのが高配当株だからです。 特定口座などでの普通の投資では、値上がり益だけでなく、配当からも約20%の税金が差引かれます。株価が下がって損が出ている場合でも、です。これが新NISAなら非課税で、配当額の100%を手にできます。 新NISAのメリットは、稼いだ利益にかかる税金がゼロ(非課税)になること。言い換えると、利益が出なければメリットがありません。しかし、配当にかかる税金20%分は必ずトクになるわけです。 近年、東京証券取引所による改革の要請を受けて、配当などの「株主還元」を強化する動きが相次いでいます。2024年中も、配当を増額したり、より安定的な配当方針を新たに打出したりする企業が多数ありました。この流れは、2025年も続くでしょう。高配当株は、いっそう狙い目といえます。 ただし、配当利回りだけ見て選ぶのは失敗のもと。前年より配当が減る「減配」のリスクが、小さい銘柄を選ぶのが基本です。減配になると、もらえる配当額が減るだけではありません。高配当株の株価は“配当人気”が支えている面が大きく、その支えが外れると株価も急落しかねないのです。 長期でじっくり投資したい人は、減配しない株、毎年の配当が安定している株を選ぶべきです。さらに、前の年より配当が増える「増配」が多い銘柄だとベター。こうした銘柄は、長期でも安心して持ち続けることができます。 ● NTTは「毎年増配」が基本方針! 減配のリスクは極めて小さい 配当が増える株は、長期で持ち続けると、買い値で見た配当利回りがアップします。例として、月刊マネー雑誌『ダイヤモンド・ザイ』が選定する「10年配当株」の1銘柄を紹介します。 NTTは、今期予想で14年連続の増配。過去25年以上にわたって減配はしていません。10年前の配当利回りは2.83%でしたが、10年前に買って持ち続けたとしたら、購入時の株価で見た配当利回りは8.19%になります*。 さらに同社は、「継続的な増配の実施」を基本方針としています。最近、配当額の維持か増配を原則とする、つまり減配しないと宣言する「累進配当」の銘柄が大きな注目を集めています。NTTの方針は、累進配当“以上”といえるでしょう。 2023年7月に株式を25分割し、最低1万円台で買えるようになったのも大きな魅力。競争力は強く、AI関連にも積極的に進出しています。投資家の人気が出すぎた反動で2024年前半に株価が下落しましたが、今後は株価の上昇も期待できます なお10年配当株とは、ザイ独自の指標「10年配当度」で高得点の、“この先10年安心して配当を受取れる株”。過去の配当実績や配当を支払う余力、業績の安定性や成長性などで徹底評価しています。「配当維持」「増配」「増益」は今期予想を含む直近10年で、それぞれ減配の有無、増配の回数、当期利益の増益回数。「配当性向」と「利益率」(売上高営業利益率)は今期予想ベース、「規模」は時価総額での評価です。 *10年前(2014年11月28日時点):予想配当1.8円÷株価63.5円×100=2.83% →10年後(2024年11月29日時点):予想配当5.2円÷購入株価63.5円×100=8.19% (株式分割を考慮した配当額と株価で計算) ● 配当の受取方法も要チェック! 新NISAでも税金を取られることも 高配当株への投資では、買うタイミングにも気をつけましょう。 高配当株は、その期に配当をもらうための“締切日”である「権利付最終日」(権利確定日の2営業日前)に向けて株価が上がり、権利付最終日の翌日(権利落ち日)には急落する傾向があります。割高になる「権利付最終日」直前の購入は、避けるのが得策です。 配当の受取方法もチェック。非課税のメリットを得るためには、株を買った証券会社で配当を受取る「株式数比例配分方式」にしなければなりません。銀行での受取(登録配当金受領口座方式)や郵便局での受取(配当金領収証方式)だと、新NISAでも配当に税金がかかるので注意してください。 ※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。
ダイヤモンド・ザイ編集部