モルドバ大統領選、現職サンドゥ氏が勝利宣言-EU加盟に追い風か
(ブルームバーグ): 旧ソ連構成国のモルドバで3日行われた大統領選挙の決選投票で、現職のサンドゥ大統領が再選を確実にし、勝利を宣言した。2030年までに自国を欧州連合(EU)に加盟させるという大統領の目標にとって追い風となりそうだ。
世界銀行出身のサンドゥ氏の再選は、東欧周辺地域における親EU派勢力の試金石となった。同地域における最近の一連の選挙では、ロシア離れを防ごうとするプーチン大統領の取り組みの成果が示されていた。
サンドゥ氏は4日早朝、キシナウで記者団に対し、「団結すれば、われわれを屈服させようとする者たちを打ち負かすことができることを証明した」と語った。
中央選挙管理委員会の発表によると、開票率約98%の段階で、サンドゥ氏は54%の票を獲得。ロシアとの強力な関係維持を公約としたストヤノグロ元検事総長をリードした。集計には、これまでサンドゥ氏を支持してきた多くの在外モルドバ人の票はごく一部しか含まれていない。
サンドゥ氏(52)は、国民の分断やロシアからの激しい抵抗に直面しながらも、モルドバのEU加盟を推進していくと表明。当局が3日明らかにしたところでは、投票を妨害しようとするロシア政府の「大規模な干渉」があったという。同氏は自国の民主的プロセスを妨害しているとしてロシアを非難している。
モルドバで2週間前に行われたEU加盟方針の是非を問う国民投票では、加盟賛成が過半数を占めたものの、差はわずか。投票前の世論調査では賛成が常に過半数だった。
その約1週間後のジョージア議会選では、ロシア寄りの与党が勝利を宣言し、野党は選挙に不正があったと批判していた。
原題:Moldova’s Pro-EU President Sandu Declares Re-Election Victory(抜粋)
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Lina Grau, Andra Timu