お菓子を勝手に食べて「僕じゃない」と言う10歳男子 「ウソはダメ」の声かけはあまり“効果がない”と専門家が話す理由
買い置きしているお菓子を勝手に食べたのか聞いても「僕じゃない」とウソをつく、ADHD傾向のある10歳の男の子。教育家で、見守る子育て研究所所長の小川大介さんは「食べてしまう前の気持ちにアプローチして」と言います。AERA with Kids+の連載「小川大介の『才能が見つかる!』子育て相談」。ウソに隠された子ども側の事情とは? 読者の悩みに答えてもらいました。(聞き手/AERA with Kids+編集長 鈴木顕) 【マンガ】「帰ってきたらランドセルの中身が空っぽ!」 “珍行動”に溢れた愛すべき男子育児(全49枚) 【相談内容】 「発達障がいグレーゾーン、ADHD傾向の息子(5年生・10歳)がいます。買い置きしているお菓子やパンを私に黙って食べ、ゴミをテレビの裏などに隠してしまいます。後日、私がそのゴミを見つけて「誰が食べたの?」と聞くと「僕じゃない」とウソをつきます。4人兄弟の長男で、下に8歳長女、5歳次男、2歳次女がいますが、弟や妹のせいにするわけでもなく「俺は知らない、やってない」と常に言い張ります。長男がそういう言動をとるせいか、弟や妹もよくウソをつきます。どのような対応をするといいのでしょうか?」 【お子さんについての情報】 好きな遊びはYouTube、走り回ること。褒められた時は、顔が柔らかくなり周りに自慢する。得意・好きなことは、図工、身体を動かすこと。公園で遊ぶ時は、走り回る。ひと通り遊び、年下の子どもがいるとお世話をしだす。弟妹と行くが1人遊びが好き。初めての場所に行く時は「ママと一緒じゃないといや」といって離れない。誰でもいいから付き添いが必要で、不安がっていて楽しみではない様子。 ■身体感覚をよく使うタイプは「味覚」への反応も鋭い これまでの経験からお伝えすると、ADHDやグレーゾーンと診断されるお子さんは「好奇心を爆発させるタイプの子」が多いです。視覚的な情報に反応しやすく、好きなものに対して体がすぐ動く特徴があります。相談者さんからいただいたお子さんの情報から、視覚と身体感覚の反応が高いタイプと推測します。学びの傾向としては「好奇心爆発タイプ」で、行動の傾向は朗らか社交型、あるいは和気あいあい型でしょうか。人と関わったり一緒に何かすることが好きで、人を気遣うところがありそうです。他人のことが気になるから、優しくすることもあれば、人からどう見られるかを気にしてモジモジする部分もあると言えるかもしれません。