ありそうでなかった!? “とろみ”つき牛乳←開発の経緯聞いてみた 「いちごミルク」などアレンジも
以前、SNS上で紹介されて話題になった“とろみ”のついた牛乳をご存じでしょうか? そんなありそうでなかった牛乳を開発したのは、高知県で人気の「ひまわり牛乳」を製造しているひまわり乳業株式会社。 【写真】“とろみ”のついた牛乳!? 抹茶と混ぜる・いちごにかける…アレンジレシピも多数 とろみのついた牛乳を開発した理由や、どのような人にニーズがあるのかなど、同社の代表取締役社長・吉澤さんに話を聞きました。 ――とろみのついた牛乳とはどのような商品? 【吉澤さん】 いままで、“とろみ”をつけるのがとても難しかった牛乳とコーヒー牛乳に、あらかじめ“とろみ”をつけた商品です。それぞれ、「とろみ ひまわりミルク」「とろみ ひまわりコーヒー」として販売しています。 ――どのような経緯で開発された? 【吉澤さん】 県内の病院給食受託業社の社長さんと話すなかで、嚥下(えんげ)対策の重要性が高まっていること、現場でとろみをつける手間などの課題が明らかとなり、開発してみようと思いました。 開発していくなかで、病院や施設での利用はもちろん、退院・退所して在宅医療・在宅介護になってからが、嚥下対策が難しくなるということがわかってきました。「適当なものが購入しづらい」「手間が面倒」といった点が理由です。特に牛乳は、家庭でとろみをつけることが非常に難しいということで、最寄りのスーパーマーケットの牛乳売り場で気軽・手軽に購入できる状況を目指しました。 約1年半かけて開発し、現在はおもに、嚥下能力が低下してくる高齢者、特に80歳以上の方々にご利用いただいています。若年層でも、障害により嚥下に問題を抱える方々にも喜んでいただいています。 販売量としては、高知県下量販店での販売が多く、高知県内数十か所の病院で提供していただいております。 ――これまで、とろみのついた牛乳は存在しなかった? その理由は? 【吉澤さん】 牛乳にとろみをつけるのは、技術的になかなかハードルが高かったことが理由に挙げられます。また、市場がニッチなので、製造ロットが大きい牛乳という分野での商品化が難しかったことも原因です。 ――嚥下機能が低下した人たちからの反応は? 【吉澤さん】「非常においしく、安全に牛乳やコーヒー牛乳を飲むことができて本当にうれしい」という声を多くいただいています。 ☆☆☆☆☆ 吉澤さんいわく、とろみのついている同商品は、いちごにかけていちごミルクを作るという用途でも使用されているのだそう。 今回の取材を通して、ありそうでなかった“とろみ”付き牛乳は多くの人を喜ばせていることがわかりました。
ラジオ関西