【ホープフルS】上級戦の経験が問われる一戦 中心は「キャリア2戦」で理想のローテを歩むクロワデュノール
加速ラップの前哨戦
理想のローテなら東スポ杯2歳Sで2連勝を決めたクロワデュノール、札幌2歳Sを勝ったマジックサンズ、アイビーSを制したマスカレードボールあたり。上位人気を形成する馬たちでもあり、注目だ。 前走クラス別をみると、OP/L【3-2-3-11】勝率15.8%、複勝率42.1%、GⅢ【3-2-1-17】勝率13.0%、複勝率26.1%などOP以上の経験が問われる。 重賞レース別では東スポ杯2歳SがGⅢ時代も含めて【3-0-1-10】勝率21.4%、複勝率28.6%。コントレイル、ダノンザキッドが連勝し、21年からGⅡに昇格。22年ドゥラエレーデが4着から巻き返した。勝ち馬に限ると【2-0-1-1】。クロワデュノールも無傷で2歳シーズン突破なるか。 今年の東スポ杯2歳Sは逃げたサトノシャイニングが残るスローペースの展開。1000m通過1:00.9からラスト600mは11.3-10.9-11.2、計33.4の決め脚勝負に。好位から上がり33.3で勝ち切ったクロワデュノールは完成度の高さを示した。当時の馬体重は24kg増で504kg。成長期の勢いもあり、冬の中山のセオリーである「大型馬を狙え」にも一致しそうだ。本命候補筆頭でいい。 京都2歳Sは【1-2-0-8】勝率9.1%、複勝率27.3%。同じ右回り、コーナー4回の2000mだが、やはり中山とは勝手が違うか。1、2着【1-2-0-2】、3着以下【0-0-0-6】と好走が条件だ。 2着ジョバンニは戦線離脱したエリキングには離されたが、コーナーでの立ち回りは決して悪くなかった。連敗を喫したエリキングが不在なら出番が回ってくる。きょうだいはマテンロウアレス、セキトバイーストで、穴を開ける血統でもある。 アイビーSは【1-1-1-1】勝率25.0%、複勝率75.0%。1~3着が【1-1-1-0】だからマスカレードボール、ピコチャンブラックは条件を満たす。 このレースもスローペースで進み、ラストは11.8-11.3-11.2、計34.3。数字では東スポ杯2歳Sほどではないが、理想に近い加速ラップを描いており、決してレベルは低くない。 ホープフルSと同舞台の芙蓉Sは【0-0-1-5】複勝率16.7%とそこまで強調できない。おそらく、アイビーSや京都2歳S、東スポ杯2歳Sと比べると、メンバーが集まらないことが要因だろう。今年は勝ち馬ジェットマグナム、2着馬レーヴドロペラが出走する。 1000m通過1:02.1、ラストは12.0-11.8-11.5。中山なので時計自体はかかったが、こちらもゴールに近づくにつれ加速している。2番手から粘り切ったジェットマグナムは人気以上の素質があるかもしれない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳