なぜ国政にでないのか…前安芸高田市長・石丸氏、都知事への道「東京を弱体化させる」理由
前広島県安芸高田市の石丸伸二市長が7月に行われる東京都知事選挙(6月20日告示、7月7日投開票)に立候補する意向を表明した。5月17日、石丸氏は記者会見を開き「市長を続けたかったが、優先して取り組まねばならないことがある。それがこのたびの挑戦だ」と都政への意欲を述べている。石丸氏の都知事選挑戦の意向を報じたヤフーニュースの記事には、6000件を超すコメントが書き込まれ、ネットにおける高い関心が伺える。他方、普段ネットに触れない人々にはあまり知られていないのではないかと、挑戦を不安視する声もあった。 【動画】「本気で勝つ気ありますか?」前安芸高田市長「石丸伸二」が語る熱すぎる野望…「東京弱体化計画」の具体的中身を語りつくす! 今回、石丸氏をインタビューし、「東京を弱体化させる」発言の真意を聞いた。連載全4回の第3回。(聞き手・小倉健一)
東京一極集中を解消したい
ーーなぜ、東京都知事選挙に出馬したのか? (石丸伸二氏) 理由は非常に簡単で、一言で言うと「一極集中の是正」です。他の46道府県の多くの自治体、例えば安芸高田市のようなところでは、人口減少や過疎化に悩んでいます。その結果、様々な問題が生じています。一方で、東京には人が集まり続け、ある程度うまく回っていますが、過密による課題も多いです。例えば、満員電車の問題や生活コストの高騰、不動産価格の上昇などです。これらの問題の根本は同じであり、一極集中の解消が必要だと考えました。そのため、東京の課題を解決することで、全国の問題も改善できるのではないかと思ったのです。
なぜ国政に出ないのか
ーーそれは国政の課題です。市長を辞めるにしても広島から国政に出るのが自然に見えますが。 (石丸伸二氏) そういう意見もありますが、半分は正解で半分は間違っています。一極集中の問題は昨日今日の話ではなく、何十年も続いている課題です。国会議員がいるのになぜ解決されていないのかと言えば、実際に行動に移されていないか、実行しても成果が出ていないからです。国会議員になり、政党を作り、多数を獲得して政策を実行するには多くの時間がかかります。その時間はもう残されていないと思います。 もう一つの理由は、地方と東京の問題が直接的に関連しているからです。東京都も一つの自治体であり、地方の問題と密接に結びついています。国の号令で動くよりも、自治体ごとに問題を解決する方が効率的だと考えています。それぞれのプレイヤーが意思疎通を図り、具体的な課題に対処していく方が早いと感じました。