良品計画、清水新体制で27年8月期に売上高8800億円へ 「30年に3兆円」目標は撤回
「“第二創業”を進化させる」
重点カテゴリーの強化では、衣料品・生活雑貨・食品で3000品目以上を取り扱い、さらには住宅や生鮮食品まで扱うといった「全方位型が無印らしさとして浸透している」としつつも、スキンケア商品などが好調なヘルスケア&ビューティ部門、衣料品では天然素材の機能性インナーなど、ポテンシャルの高いカテゴリーの開発を強化する。全方位型ではあり続けるが、注力カテゴリーでは「単品の力でも戦っていけるようにする」。
商品開発強化、重点カテゴリー強化を裏打ちするために、生産面も過去3年で改革を進めてきた。23年に三菱商事ファッションの一部を会社分割で承継し、衣料品生産を内製化、原価低減につなげている。現在、ベトナム、インド、インドネシア、カンボジア、上海、深圳で海外生産拠点が稼働しており、グローバルで商品を開発・生産していく体制構築を引き続き強める。OMO強化においては、ECと店頭など複数チャネルの在庫を一元化して機会損失を減らす。
新社長に就く清水氏は1974年生まれの50歳。96年に良品計画に入社し、以来店長、商品部、中国を中心とした海外事業管掌など、社内で複数の部門を経験してきた。「自分の業務スタンスとして一番のベースになっているのは店頭という現場。過去3年間で進めてきた“第二創業”を進化させ、世界でさらなる成長を目指す」と語った。