マルク・マルケス

　MotoGPで2021年に王者となったファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）は、マルク・マルケスこそ史上最高のライダーだと考えている。 【ギャラリー】秋葉原にMotoGP襲来！　10月日本GPに向けてプレイベントが実施……中上貴晶レプリカマシンで登場 　史上最高のライダーという言葉はファンやメディアなどで類まれな結果を残してきたライダー達への評価として出てくる言葉のひとつだが、近年で最もこの言葉を使われて来たのはバレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスだろう。 　ロッシはMotoGPのアイコンとして、2021年まで現役だった。これまで最高峰クラスで7度、他クラスを含めて9度の世界チャンピオンに輝いている。 　マルケスは実績という点では、ロッシにわずかに劣る最高峰クラスで6度王者、計8度の世界チャンピオンという結果。ただ最年少優勝記録など、更新しがたい記録の持ち主でもある。 　この2人のどちらが優れているか、といった論争に明確な結論を出すことは難しい。しかしその両方のライダーとサーキットで競ったことのあるクアルタラロは、マルケスが史上最高のライダーだと感じている様子だ。 「僕の”アイドル”は常にバレンティーノだったんだ」 　クアルタラロはジュエリーブランドのTwoJewysのインタビューでそう語った。 「彼と僕との関係は、段階的に進んでいた。7歳の時は写真を撮ってもらった。15歳の時には彼の（トレーニング施設の）ランチに招待してもらったんだ。そして2021年に、僕らは（MotoGPでの）立場を交換した」 「当時、僕はチャンピオンという地位に就くにあたって、とてもプレッシャーは大きかった。僕の場合、インスピレーションを与えてくれる人は多岐にわたるけれど、5歳の頃から僕のアイドルは彼だったんだ」 　ロッシへの特別な感情をそう口にしているクアルタラロ。しかし彼はライダーとしてはマルケスが史上最高だと語る。 「僕はずっとバレンティーノのことが好きだけど、マルクが史上最高だと思う。たとえ彼の方が（タイトルの数が）少なかったとしてもね」 「2014年に彼が開幕から10連勝を達成したとき、僕は『なんだこの男は？』と思ったよ」 「そして何より、ウエットレースでも、ドライレースでも、風の強いレースでも……コンディションが良くても最悪であろうとも、常に彼は非常に速さを発揮している」 「僕にとっては、ライダーとしての彼が最も説得力がある。とてもアグレッシブで、彼のライディングを見ると、自分よりも1.5秒速いように思わされるんだ」 　なおそのマルケスは、2024年からドゥカティ陣営に移籍。2025年はドゥカティのファクトリーチームへ昇格が決まっている。 　ロッシはMotoGP引退後、四輪レース活動を開始し、現在はBMWのファクトリードライバーとしてWEC（世界耐久選手権）とGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの2シリーズへと参戦している。