衝撃の結末!UFCでマクレガーが“自爆”の左足首骨折でTKO負け…リベンジならずも「勝利を盗まれた」と吠える
1分半になろうとするときだった。左のストレートが相打ちとなり、マクレガーが下がると、そこにポワリエの追撃の左ストレートがヒット。続けてショートのワンツーを顔面に打ち込んだ。 「前回と同じようにいいパンチが当たった」と、ポワリエが試合後に振り返った場面。それでもまったく動じなかったマクレガーはポワリエのフックを交わすと自分の方から組み付いた。 ゲージに押し込まれたが、マクレガーは前からクビをとり、そのままグラウンドに引き込んでギロチンチョーク。場内はどっと沸いたが、足をフックできていなかったため、ポワリエは、まるで逆立ちするかのように体を直角に立てて回避。クビを抜くと、そのまま上になり有利な体勢をキープして肘打ちを乱打した。マクレガーも独特の下からの肘打ちで応戦したが、状況を反転するまでには至らない。ポウリエはスキを見つけて容赦なくパウンドのラッシュ。そして、角度を変えた左の肘打ちをガンガン浴びせ続けた。マクレガーは体をよじりながら致命傷の一撃を避けて必死にこらえたが、すでに、この段階で相当のダメージを受けていた。そして想定外のアクシデント決着の場面につながるのである。 ひょっとするとグラウンドで受けたパンチと肘攻撃の影響でマクレガーは、体のコントロールが効かなくなって足首をぐねってしまったのかもしれない。衝撃の結末は、ポワリエが作った必然だったとも言える。 勝者のポワリエは、潔く敗戦を認めようとしないマクレガーを口撃した。 「試合前には、殺すとかいわれたが、オレは生きているじゃないか。人にあのような口のきき方をするのは良くないと思う」 会場を埋めたアイリッシュ系のアメリカ人から大ブーイングが飛ぶと、思わず放送禁止用語で反撃するほど。ポワリエ自身もどこか納得のいかない様子だった。 怪我をしたマクレガーは控室に下がらずオクタゴンに座り込んだ体勢のまま異例のインタビューを受けた。 「距離を詰めて戦っていた。まだこの試合は終わっていない。終わらせない」 聞き手からポワリエのコメントを引用して「キックで怪我をしたのか」と聞かれ「そんなことがあるわけがない。悔しかったら殴りかえせ。おまえは、この勝利を盗んでいった。おまえは、めめしい男だ」と、ポワリエへ罵声を浴びせかけた。 そして「ずっとグラウンドで戦ったが、立ち上がって距離を取ろうと思ったところだったんだ。こんなことになるとは思わなかった」との心境も口にした。 負けることが許されない“UFCで最もお金を稼ぐ”トップファイターの虚勢なのか。それとも、もしアクシデントがなければ2ラウンド以降に逆転勝利できたと本気で思っていたのか。 マクレガーは担架に乗せられてオクタゴンを去った。 両者はこれが3度目の対戦だった。第1戦は2014年9月の「UFC178」でフェザー級で対戦し、マクレガーが左フックを炸裂させ1ラウンド1分46秒でTKO勝利。第2戦は今年1月の「UFC257」で2ラウンド2分32秒TKO負けを喫していた。1勝1敗で迎えた決着戦だったはずが、また因縁を残す不完全な形での幕引きになった。マクレガーの骨折が完治するまで、どれくらいの時間がかかるかわからないが、4度目の対決は避けられないだろう。