環境学習でサンゴ観察 海の生態や白化現象学ぶ 奄美大島
鹿児島県奄美大島の宇検村教育委員会が主催する「宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」の2024年度第2回講座が31日、同村平田集落の海水浴場であった。「サンゴの海の生き物たち」をテーマとした観察会に、地元の小中学生と保護者ら25人が参加。サンゴの生態や白化現象、周辺に生息する生き物などについて理解を深めた。 講座は奄美・沖縄が世界自然遺産に登録された21年から実施。子どもたちに身近な自然環境への関心を高めてもらうことなどが目的で、今年度は計5回を予定している。 観察会の講師は、鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室で特認研究員を務める北之坊誠也さん(38)と、日本自然保護協会の中野恵さん(49)。サンゴの生態や色別に健康状態を確認する「カラーチャート」を使った観察方法などを説明した。 サンゴは共生関係にある褐虫藻と呼ばれる藻類を失うことで白化が起こる。奄美大島沿岸では今年、海水温が高い状態が続いたことなどが原因で白化現象が確認されており、タエン浜海水浴場でも8月14日ごろから白化が進んだという。 この日、参加者らは水深約2メートルの地点でサンゴの健康状態を目視や触って調べた。白化したサンゴが褐虫藻を取り入れようと蛍光色を発することなどを学んだほか、サンゴの周辺に生息する小魚やカニ、ゴカイなどの生き物も採取した。 北之坊さんは「サンゴの白化のメカニズムは詳しく分かっていない。みんなにも経過観察をしてほしい」と呼び掛けた。 村内の小学校に通う男児(12)は「サンゴの色が抜けていて悲しく感じた。白化したサンゴの中にも魚がいて、いろんな種類を見ることができた」と話した。