年末年始にやっておきたい新旧【NISA】の見直し、適切なメンテナンスをする方法
今年も残すところあとわずかとなりました。年末年始は長いお休みを取られる方も多いかも知れませんが、少し時間に余裕がある今だからこそやっておきたい「NISAに関する見直しのポイント」を旧NISAと新NISAに分けてご紹介します。 【画像】新NISAで積立投資を始めた方へ
旧NISAと新NISAは別モノ
2023年末で終了した旧NISAですが、そのまま放置している方もいらっしゃるようです。中には、「自動的に新NISAに切り替わっている」と勘違いされている方も少なくありません。旧NISAはあくまでも非課税期間が5年あるいは20年の限定ですから、適切な管理が重要です。 例えば、旧「つみたてNISA」でオルカンタイプの投資信託を毎月3万円ずつ積立てていた人の場合、2024年1月には新NISA口座が設定され、これまでと同じ投資信託を月3万ずつ「つみたて投資枠」で買い付けが実行されています。そのため、「自動的に新NISAに切り替わった」と思っている方もいるようです。 しかし注意しなければならないのは、2023年と2024年で買い付けた投資信託の非課税期間はまったく異なるという点です。2023年までに買い付けた投資信託はそれぞれの買い付けした年から20年間が非課税期間なのでその期間内に売却をすることが原則です。その期間を過ぎて売却すると、非課税期間終了後に得た利益については20.315%の税金が徴収されます。 2024年に買い付けした投資信託は「新NISA」ですから非課税期間は無期限です。20年間という縛りがないので、ご自身の必要なタイミングで売却します。 もし意識せずに新NISAでのつみたてが開始されていた方の場合、毎月の積立額は再考したいものです。旧つみたてNISAの投資可能額は年間40万円でしたが、新NISAのつみたて投資枠は年間120万円、同時に成長投資枠の年間240万円も利用可能です。積立額を増額したいのであれば、この機会に手続きを済ませておきましょう。 旧「一般NISA」で運用をしていた方の非課税期間は5年間ですから、2020年に買い付けした株や投資信託はこの年末で非課税期間が終了します。何の手続きも行わなければそのまま課税口座に移管されてしまいますので、今後の利益には課税されていきます。 実際、2019年に購入した株や投資信託は2023年末でその非課税期間を終えています。筆者のもとにご相談にいらした方の中には、「自動的に新NISAに移る物だと勘違いして」そのまま放置しており、気がついたら課税口座に移っていたという方がいらっしゃいました。 まず再認識していただきたい重要なポイントとして、「旧NISAと新NISAは別モノ」という点をお伝えしたいと思います。特に非課税期間が5年と短い一般NISAの場合、毎年その非課税期間が終了していきますので、しっかり期間の管理を行う必要があります。 例えば、2020年にA投資信託を120万円で購入したとしましょう。2024年末で非課税期間が終了しますがその時点での価額が200万円に値上がりしていたとしましょう。非課税メリットを享受してここで売却して投資を終了しても結構です。一方継続保有を希望する場合は、年内にその投資信託を一旦売って現金にし、年明けに新NISAの成長投資枠で同じ投資信託を買い戻します。 よく株主優待あるいは配当の関係で年末ぎりぎりまで株を保有しておきたいという方がいらっしゃいますが、その場合は1月に売って、買い戻してということをしても結構です。ただし2024年末時点の値段で旧NISAから売却され、その値段で特定口座にて買い付けされているので、その場合は特定口座に移った商品を売却し、新NISAの成長投資枠で買い付けするという段取りになります。もちろん特定口座にて得られた利益には20.315%の税金がかかります。