島の海の実態を調査 プラごみの分別も体験 徳之島の小学校
海洋環境への影響が懸念されているマイクロプラスチック問題について学ぶ環境授業が4日、鹿児島県徳之島の徳之島町立亀徳小学校(越間むつみ校長、児童95人)であった。5年生16人が、海岸の砂に紛れた細かなごみの分別調査などを体験。身近な海の実態を知り、今後必要な対策などを学んだ。 授業はマイクロプラスチック問題に取り組む石原修一さん(49)、水井涼太さん(47)の来島に合わせて実施。石原さんは東京都の中学教師、水井さんはNPO「ディスカバーブルー」代表として、それぞれ海の環境問題の周知、啓発活動を全国で展開している。 児童らは同校近くの海岸でペットボトルなどの漂着ごみを回収。学校に持ち帰ってラベルに記された番号から製造された国を調べた。さらに、海岸の砂に紛れた細かいプラスチックごみをピンセットで回収し、「発泡スチロール」「人工芝」「たばこのフィルター」など、材質別に分別する作業を体験し、調査結果としてまとめた。 授業の中で、石原さん、水井さんは「海水を原料にしている食塩にはマイクロプラスチックよりさらに小さいナノプラスチックも含まれていて、私たちの口に入っている」と説明。「みんなの健康にも影響がある。自分自身の問題としてごみ問題について考えてほしい」と思いを伝えた。 受講した男児は「僕たちも知らないうちにプラスチックを食べていることにびっくりした。あれだけ細かいごみを全部取り除くのは大変なこと。できるだけごみを減らして海に流れ出ないようにする努力が必要だと分かった」と話した。 石原さんは国内の学校と連携して全国各地で同様の調査を実施しており、来年2~3月ごろに報告会を開いて調査結果をまとめるという。報告会には亀徳小児童らもオンラインで参加する予定。