【ゴボウ】アク抜きするのはもったいない?しなくても大丈夫?料理別ゴボウのアクの処理方法
ゴボウは切ったそばから変色するため、アクが強く、水にさらす下処理をするのが今までの常識でしたが、さらしすぎもよくないと聞きますよね。実際はどうなのでしょうか。 〈写真〉【ゴボウ】アク抜きするのはもったいない?しなくても大丈夫? ■ゴボウのアクの正体って? ゴボウは空気に触れると切り口が茶色く変色します。これはアクといわれるものですが、その正体はポリフェノールの一種であるクロロゲン酸という成分です。ポリフェノールに毒性はなく、食べても問題ありません。それどころか、ポリフェノールは強い抗酸化作用で知られており、多くの有効成分で注目を集めています。アク止めのためにゴボウを水にさらすのは、水溶性のポリフェノールが水に流れ出て変色を防ぐことになるからなのですが、一方で、栄養成分でもあるポリフェノールはどんどん流れだしてしまうことにもなります。 ■栄養成分を逃さないで!アク抜きは効率的に せっかくの栄養成分を流してしまっては残念ですよね。ゴボウのアク止めはもともと色を白く仕上げたり雑味を抜いたりするためのものなので、おせち料理など美しく仕上げたい日本料理や、たたきごぼうなどアクが出やすい料理などの場合に必要とされています。その場合でも、切った直後に30秒~1分ほどさっと水にさらすだけで十分です。もっと白く仕上げたい場合には、酢水(水1カップあたり酢小さじ1程度)に30秒~1分ほど通すようにしましょう。熱湯に数秒くぐらせる方法もあります。ゴボウが少量の場合は、ザルに広げたゴボウの上から熱湯を回しかけると良いでしょう。 ■アクが出にくい切り方 ゴボウは繊維が固く、つい力を込めて切ってしまいがちですが、ゴボウの繊維をつぶすように傷める切り方をしてしまうと、アクが出やすくなってしまいます。包丁を上から下に押し込むのではなく、包丁の刃をすべらせるようにして繊維を断ち切るようにしましょう。 ■アクもおいしく。アク抜きが必要のない調理法 ゴボウのポリフェノールは加熱するとうまみ成分に変化するといわれています。また、きんぴらごぼうなどの炒め物や、かき揚げなどの揚げ物といった油を使う調理では、ゴボウのえぐみが感じにくくなるため、味噌汁や煮物なども油で炒めてから煮るようにするとゴボウのうまみが引き出されやすくなります。色が気にならなければアク抜きはほとんど必要ありません。ごぼうの風味が強すぎると感じるときや白く仕上げたいときに短時間アク抜きするようにするといいですね。 参照: ・「やさい(幻冬舎)」 ・「日本の食材図鑑 (新星出版社)」 ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 Instagram:@tsukiko_shoku_mind blog:管理栄養士 大槻万須美♪楽しく食べて健康に♪ 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)