転職するのがもったいない? 「長く働けて若手もおすすめする企業ランキング」若手も登用、長期的キャリア身に付く企業は
実力のある若手の登用が、徐々に進む総合商社
――「難病の患者に貢献できた」といった、いい話が多いですね。一方、日本企業の代表挌である総合商社が3社入っています。年功序列の典型のような業界ですが、若手を重用する風土があるのでしょうか。 オープンワーク広報 総合商社のクチコミの共通点として、近年の人事・評価制度のアップデートによって、実力のある若手の登用を進めていることが挙げられます。 組織改革は道半ばですが、社員が徐々に変化を感じている様子がうかがえました。また、若手を対象とした研修制度が充実しており、挑戦を後押しする仕組みが整っていることも見てとれます。 三菱商事「年功序列の文化が残るも、直近では若手の登用や能力に応じた昇給・昇格の機会が与えられる」(営業、男性) 三井物産「若手の離職率が一昔前よりも高いと思われ、中長期的なキャリア開発については課題。もっとも、随所で若手登用の機運自体は高まっていると感じる」(コーポレート、男性) 伊藤忠商事「若手の海外研修制度や、節目、節目での事業管理研修など自身の求めるスキルに応じた研修制度が整っている」(営業、男性)
人手不足が深刻、社員の長期的キャリア形成できるかがカギ
――ところで、研究機関の一般財団法人電力中央研究所が6位に入っていることが不思議です。どういう理由で若手がおすすめするのでしょうか。 オープンワーク広報 電力中央研究所には、「保守的」「安定志向な組織運営」といったクチコミが見られましたが、職員ひとり一人の意見や意思が尊重される職場であることもうかがえました。ランクイン企業全般に見られる、若手の積極性を伸ばす組織風土であることが考えられます。 電力中央研究所「トップダウンではなく、ボトムアップの風潮が強く、自分自身の創造性などが重視される」(研究員、男性) ――今回の調査で特に強調したいことはありますか。 オープンワーク広報 人材の流動性が高まり、転職によるキャリア形成することがスタンダードになりつつあるなか、1社で長く勤めるからこそ挑戦できることや成長もあると感じました。 ランクイン企業からは、若手が意見を言いやすい組織風土だけでなく、ある程度長期的に働くことを前提に、丁寧な研修や公募制度などを設け、社員の希望を踏まえながらよりよいキャリア形成を後押ししていることがうかがえました。 今後、人手不足が一層深刻となると予測されています。一人ひとりの社員の長期的なキャリア形成を行えるかどうかは、経営視点において一層重要になっていくでしょう。今回の調査データから見えた傾向は、その手掛かりの一つともなるかもしれません。 (J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)