看護師ですが、通常の業務に加えて「勉強会」や「委員会」などがあり、休日などに出席することも多々あります。休みがつぶれてしまうので「時間外手当」は請求できるのでしょうか…?
医療機関に勤めている人であれば勉強会や委員会、病棟会への出席が業務の一部となっていることは多いのではないでしょうか。勤務時間内に出席できれば良いのですが、業務やシフトの関係でやむを得ず勤務時間外や休日に出席しなければならないこともあるかもしれません。 本記事では、勤務時間外や休日に勉強会に出席した場合、時間外手当などを請求できるのかについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
勉強会や委員会とは?
一般企業で社内勉強会などが開催されるように、医療機関でも勉強会が開催されることがあります。病棟内でよく見られる疾患や医療行為について学ぶなど、スタッフのスキル向上につながるような情報を共有する場です。 また、部署を横断してさまざまな観点から業務の方針について話し合う「委員会活動」があったり、病棟の運営や課題について職員同士で話し合う「病棟会」を定期的に開催していたりする医療機関もあります。 こうした勉強会に業務時間内に出席できれば問題ないのですが、業務終了後や休日に出席しなければならないことも少なくないようです。
労働時間の定義とは?
勉強会への出席が労働時間に該当するのかを考えるために、まずは労働時間の定義について解説します。 厚生労働省では労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間のこと」と定義しています。ほかにも「使用者の明示または黙示の指示により、労働者が業務に従事する時間は労働時間に該当する」とも定義しています。 明示の指示は、いわゆる「明らかな指示」のことです。例えば上司から「○○の業務を終わらせて」「勉強会に出席するように」と言われた場合、明示の指示を受けたといえるでしょう。 一方、黙示の指示は「暗黙の了解」「事実上の強制」のような意味合いを持ちます。上司から口頭や文面で明確に指示されていなくても、事実上労働しなければならないような状況は黙示の指示を受けているといえます。 例えば業務時間内で終わらないほどの業務を与えられた、残業しなければ評価が下がるといった場合などが該当します。