99歳まで現役のピアニストとして活躍! ポーランドの伝説、ホルショフスキ【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
メンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲第1番』 平和への祈りにも似た音楽がここに
今日6月23日は、ポーランド出身のピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキ(1892~1993)の誕生日です。 100歳という長命にして、99歳まで現役のピアニストとして活躍したホルショフスキの生涯はまさに伝説。1987年には、95歳にして初来日を果たし、カザルスホールの落成記念公演に出演したことも語り草です。 その彼の人生において、欠くことのできない存在が、スペインのチェリスト、パブロ・カザルス(1876~1973)です。数多くの共演を重ねた彼らの華麗な経歴の中でも、一際光り輝く公演が、1961年11月13日、ケネディ大統領に招かれたホワイトハウスでの歴史的なコンサートでしょう。 祖国スペインの姿に胸を痛め、1938年以来アメリカ国内での公のコンサートを中止していたカザルスが、ケネディ大統領の人柄に心を打たれて披露した演奏はまさに伝説。その折のメインに置かれた作品が、ヴァイオリンのシュナイダーハンを加えたメンデルスゾーンの『ピアノ三重奏曲第1番』でした。3人の巨匠が繰り広げる感動的な演奏からは、音楽の持つ力が伝わってくるようです。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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