『ディズニー ミュージックパレード アンコール』キラキラした音楽を聴きながら遊んでいたら、ムーランに助けられた就活や、残業続きだった父と観たパレードを思い出した
私がミュージカルを好きになったのはディズニーのおかげだ。 『美女と野獣』の“朝の風景”を聞きながら通学すると、道行く人が「ボンジュール」と声をかけてくれる。そんな夢想をすると周りが希望だらけの風景に早変わり、つらい早朝の登校も乗り切れた。その後も幾度となく、ディズニーの音楽に救われてきたことか。 【記事の画像(11枚)を見る】 そんな、キラキラした曲を楽しめるリズムゲーム『ディズニー ミュージックパレード アンコール』が2024年11月21日にイマジニアより発売される。2023年1月10日にサービスを終了したスマートフォン向けゲーム『ディズニー ミュージックパレード』のNintendo Switch版だ。 今回、先行プレイをする機会を得たので、『ディズニー ミュージックパレード』をプレイしていた筆者が本作を体験し、再度光りかがやくパレードに参加してきた様子をご紹介する。 ディズニーの名場面とともに光のパレードを楽しもう “ミュージックライド”と呼ばれる乗り物で走りながら、ディズニーの名曲に併せてタイミングよくボタンを押すリズムゲームが収録されている。遊べる楽曲は60曲。ローカルで最大4人の同時プレイを楽しむこともできる。 リズムゲームは難易度が、イージー、ノーマル、ハード、エキスパートの4種類のほか、新システムとなる“ふりふり”モードが追加。 Joy-Conをふるだけで演奏できるモードになっている。 ゲームのルールは至ってシンプル。光る汽車の先頭についている丸いマークにノーツが重なる瞬間にボタンを押すだけ。押すのはABXY、方向、L、Rボタンのどれでもよい。青いノーツは重なる瞬間にタップ。赤いノーツは長押しをすればよい。また、ボタンを離す瞬間にスティックを矢印の方向に倒すスライドノーツがある。基本的な操作はこれだけ。 難易度がエキスパートのときにだけ登場する、任意のふたつのボタンを同時に押すノーツがでてくるが、ルール自体はそれだけでシンプルなので、リズムゲームが苦手な人でもすぐに楽しめるように設計されている。 “ふりふり”モードはノーツが重なる瞬間にJoy-Conをふるだけのモード、タイミングよく触れるとスコアがあがるが、ふるタイミングがずれてもミスにはならないので小さいお子さまなども楽しめるモードに。ゲームをするという感覚よりは、音楽に合わせて体を動かすといった楽しさが味わえる。 ゲームを無事クリアーすると、ゲームスコアに応じてポイントを獲得できる。そのポイントが一定値貯まると、“メモリーコレクション”をゲットできる。メモリーコレクションは各作品ごとに30個用意されており、名場面のワンシーンがメモリーとして集めて楽しめる。 また、プレイ中にノーツのタップを成功することで左ゲージが貯まり、最大まで達するとフィーバーが発生。一定時間ノーツを成功するとコインを入手できる。このコインを集めることで、新しい曲を開放できる“ミュージックキー”と、キャラクターたちをイメージしたミュージックライドをゲットできる。 スマートフォンアプリ版『ディズニー ミュージックパレード』では、ミュージックライドを育てることでゲームを有利に進める効果があったが、本作ではライドの魅力はそのままにコレクション要素に簡略化し、リズムゲーム初心者の方にも楽しめるようになっている印象だ。 また、本体が一台あれば、最大4人での同時プレイも可能。遊びやすい設計になっているので家族や友だちといっしょにリズムゲームを気軽に遊ぶのに最適だ。 収録楽曲は全60曲 楽曲は、アニメ作品ごとに2~4曲収録。収録作品は下記のとおり。 ・白雪姫 ・ピノキオ ・シンデレラ ・ふしぎの国のアリス ・ピーター・パン ・眠れる森の美女 ・くまのプーさん ・リトル・マーメイド ・美女と野獣 ・アラジン ・ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ・ライオン・キング ・トイ・ストーリー ・ヘラクレス ・ムーラン ・モンスターズ・インク ・リロ&スティッチ ・塔の上のラプンツェル ・アナと雪の女王 ・ベイマックス ・ズートピア ・モアナと伝説の海 ・リメンバー・ミー ・ウィッシュ ・パークス ・ミッキー&フレンズ 自分が好きな作品から遊べるのだが、あなたならどの曲を選ぶだろうか? 私がいちばん最初にプレイしたのは『ムーラン』の“リフレクション”のアレンジ楽曲。主人公のムーランが家のために慣れない化粧をし、参加したお見合いで大失敗。両親に合わせる顔がなく逃げ込んだ庭の池に映る自分の姿をみて「本当の自分はこんなんじゃない。本当の自分はいつになったら水面に映るの」という想いを歌うのだ。 この曲をプレイしているうちに、就職活動中の出来事を思い出した。不採用の通知を受け、「あー社会から求められていないのかなぁ」と感じてしまった。そんな自分をムーランに重ね「本当の自分はいつ認めてもらえるの」と“リフレクション”を嗚咽交じりに熱唱。ムーランの魂をイタコのようにわが身に宿し、1年ムーランとともにがんばって生き抜いた。 ちなみに、翌年は『ポカホンタス』をこの身に降ろし、ジャングルガールとして生きたのはまた別の話。 音楽は記憶のインデックスとはよく言ったもので、いろいろな思い出が蘇える。 本作にはディズニーのアニメーション作品だけでなく、パークスというカテゴリーが存在。ディズニーリゾート関連の楽曲がまとまっている。有名なパレード“エレクトリカルパレード”もその中の一曲。 残業続きでなかなか会えなかった父の肩車の上から見たパレードはより一層輝いていたのを覚えている。はしゃぎすぎて大量のポップコーンを食べ続ける。そんな父の観たことない一面を目のあたりにして戸惑ったのも事実だが(笑)。 楽曲の中には、英語の歌詞のものも存在する。たとえば、『リトル・マーメイド』でアリエルが人間界に思いを馳せる“パート・オブ・ユア・ワールド”は英語でのアレンジ曲も収録。“パート・オブ・ユア・ワールド”は自分がミュージカルを好きになった忘れられない楽曲のひとつだ。 じつはこの曲の歌詞をよく聞くとアリエルは「パート・オブ・ザッツ・ワールド」と歌っている。ここでいう、“ザッツ・ワールド”とは、“人間界”のこと。海の世界ではなく、漠然とした憧れのある人間界を“あの”という意味のザッツで表現している。 しかし、アリエルがエリック王子に出会ったあとにこの曲を作中で再度歌うとき、歌詞が「パート・オブ・ユア・ワールド」になる。そう、「“あなたの”世界の一部になりたい」とアリエルの恋心を表す歌詞になる。 物語が加わることで歌が変化し、曲自体がいろいろな意味を持つことでより味わい深いものにさせる。そんなミュージカルの魔法のおもしろさを気づかせてくれた作品だ。 個人的に少し残念な点は、冒頭で語った“朝の風景”が『ディズニー ミュージックパレード』では収録されていたが、本作では未収録なこと。今後、ほかの未収録曲がDLCなどで追加されることを願いつつ、本記事を締めたいと思う。 ディズニーの音楽について、あなたはどんな思い出があるだろうか? ぜひ、光りかがやくパレードに参加していろいろと想いを馳せてもらいたい。