映画監督による性暴力の被害女性を演じる、子役出身23歳女優「SNSがない時代に生まれたかった」
変化のきっかけは「大学卒業」
――その変化には何かきっかけがあったのでしょうか。 山口:去年大学を卒業して、俳優のお仕事一本になったことが大きいと思います。仕事を始めたときからどこか学業があるからと安心していた部分もあったし、両方頑張るというのが、自分にはすごく向いていたんです。 だからひとつになったときに、現実を突きつけられた感覚がありました。漠然とした不安があってどうしていいか分からなくなったので、いろいろ見つめ直したんです。 この仕事は特に人との関わりが大事だし、自分の味方や応援してくれる人がいるからこそ頑張れる。 ひとりで立ち続けるというのは、難しいなって。そのためにも自分自身が人から好きになってもらえないとダメだ、と思うようになりました。
SNSは便利だけれど、答えを出すのは自分でありたい
――もうひとつお聞かせください。本作にも“マスコミ”が登場します。芸能界とマスコミは切っても切れない関係ですが、山口さん自身は、マスコミにどんなイメージを持っていますか? 山口:情報を伝えるうえで欠かせないし、私たちの仕事は伝えてもらって成り立っているところもある。だからマスコミのみなさんに味方でいてもらえる人になるのも大事だと思います。みんな自分の仕事に一生懸命なんだろうなとも思いますし。 ――いまはSNSの存在も強大です。そちらについては。 山口:なかなか難しいですよね。本当はSNSとかがない時代に生まれたかったです(笑)。 いまは情報が溢れすぎていて、何が正しくて何が正しくないとか、これは取り入れなくていい情報だとか、そういう取捨選択が難しくて。 私自身、どこかで情報に流されているところもあると思うんです。たとえばダイエットの情報とか(笑)。 便利なものではありますよね。でも答えを出すのはSNSじゃなくて、ちゃんと自分で考えたいです。
映画やドラマの感想を書いてもらえるのは嬉しい
――エゴサーチはしますか? 山口:しますよ。特に抵抗もないです。“そんな風に見えてるんだ”くらいの感覚です。 自分が出たドラマについても、よくエゴサします。“こういうところを面白いと思ってくれてるんだ”とか。だから嫌だとかいった感覚はないです。 むしろ映画やドラマを観て感想をちゃんと残してくれる人はすごいなと思うし、嬉しいです。私はそうやって感想をSNSに残したりするのは怖くてできないので(笑)。 だから感想を書いてくれる人は作っている側としてすごく嬉しいし、今回の『ブルーイマジン』のことも観て書いてもらいたいです。 <取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/美樹(Three PEACE) スタイリスト/竹岡千恵> (C) “Blue Imagine” Film Partners 『ブルーイマジン』は全国順次公開中 【望月ふみ】 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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