【おひとりさまシニア】70歳代では「貯蓄2000万円以上」と「貯蓄ゼロ」どちらが多い?
年金だけで生活している高齢者世帯の割合は?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」で公的年金だけで生活している高齢者世帯の割合を確認してみると「41.7%」となっています。 ●公的年金・恩給の総所得に占める割合 ・公的年金・恩給が100%の世帯:41.7% ・公的年金・恩給が80~100%未満の世帯:17.9% ・公的年金・恩給が60~80%未満の世帯:13.9% ・公的年金・恩給が40~60%未満の世帯:13.2% ・公的年金・恩給が20~40%未満の世帯:9.3% ・公的年金・恩給が20%未満の世帯:4.0% 公的年金だけで生活している高齢者世帯が約4割。昨今の物価高もあり、老後の生活を公的年金だけで賄える人はそう多くはないといえるのではないでしょうか。 特に、一人暮らしの高齢者は、貯蓄が少ないことは深刻なリスクを伴います。 次に、その具体的なリスクについて見ていきましょう。
貯蓄が少ないおひとりさまシニアが抱えるリスクには何がある?
一人暮らしの高齢者にとって貯蓄が少ない場合、どんなリスクを抱えることになるのでしょうか。 ●貯蓄が少ないおひとりさまシニアが抱えるリスク1:年金だけでは窮屈な日々 一人暮らしの高齢者にとって、年金だけの生活は毎月の生活費をやり繰りするのが精一杯で、窮屈な日々になりがちです。 現役時代には自由にお金を使っていた人も多いですが、年金生活に入ると収入は6~7割ほどに減少します。もしその収入に見合った生活に切り替えられなければ、出費がかさみ家計を圧迫する可能性があります。 老後の長い時間を考えれば、たまの旅行や趣味などで人生に潤いを持たせる余裕も必要ですが、貯蓄が少ないとそれすら難しくなります。 ●貯蓄が少ないおひとりさまシニアが抱えるリスク2:特別な支出に対処できない 老後に貯蓄がないと突発的な支出に対応できないリスクがあります。たとえば、住まいの修繕費用。賃貸物件でも、長年住めば退去時の原状回復費用が発生することがあります。 また、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電も定期的な買い替えが必要ですが、一人暮らしではこれらの費用を分担する人がいません。 さらに、入院や介護が必要になった際の医療費や施設費用は、一人ですべて負担しなければならず、経済的な負担が大きくなります。 ●貯蓄が少ないおひとりさまシニアが抱えるリスク3:気持ちが不安定になる おひとりさまのシニアにとって、老後に貯蓄がないと、「介護が必要になったらどうしよう」「働けなくなったら生活できない」という不安が募りやすくなります。 その結果、他の人の生活をうらやましく感じたり、自分を過剰に責めたりすることもあるかもしれません。こうした不安を抱えたままでは、心の安定を損ない、体調不良やメンタル面で深刻な問題を引き起こすリスクが高まります。