『キッズ・ウォー』でブレークしたイケメン俳優、電気工事士になったワケ「家族がいるから頑張れる」
1児の父・斉藤祥太、現在は俳優業と二足のわらじ
俳優・斉藤祥太(38)は、2000年放送のTBS系連続ドラマ『キッズ・ウォー』でヒロインの恋人役を演じ、話題になった。当時は中学生。その後、弟の斉藤慶太とともに「双子のイケメン俳優」としてメディア露出を重ねた。だが、17年には俳優の仕事が減少し、地元で土木仕事をしていることをテレビ番組で明かした。あれから7年。本人にデビュー時の秘話、現在の状況を聞いた。(取材・文=白川ちひろ) 【写真】「相変わらずイケメン」 斉藤祥太&弟・慶太の双子2ショット 「みなさま、今日はお疲れ様でした!」 斉藤と会ったのは、東京・武蔵小山の焼肉店だった。この日は、彼が所属する芸能事務所のメンバーらと早朝5時から撮影。終了後の打ち上げで、斉藤が乾杯の音頭を取った。 開始前、記者と対面。子役から長年、芸能活動を続けてきたからか、物腰が柔らかい印象だ。そして、『キッズ・ウォー』出演時のエピソードから語った。 「当時は街を歩くとすぐに気づかれて人混みができてしまうほどでした。あまりにも声をかけられるので、帽子とマスクで変装して歩いていました。僕が先にドラマに出ていたことで、まだテレビに出ていなかった弟の慶太が『あっ、つばさくんだ!』ってドラマの役名で呼ばれ、指をさされたことも多かったみたいです。慶太が『それ、僕じゃないですよ』って否定しても、同じ顔なんだからファンの方は納得できないですよね。写真撮影を断ると、『調子乗ってんなよ』と言われ、嫌な思いをしたこともあったみたいです」 その後、『キッズ・ウォー』シリーズに2人そろって出演。慶太とともに「イケメン双子」として、その人気はさらに上昇した。SNSがなかった当時、ファンレターが続々と届いたという。 「ドラマ放送後は大きいダンボール何箱分になるファンレターやプレゼントが事務所に届いていました。そんなとんでもない量のファンレターが次々と送られてくる中、祖母が『せっかくお手紙をくださったんだから、お返事を書きなさい』と言い、ノートに一人ひとりの住所を書いてリストを作ってくれていたんです。当時は学校に通いながら早朝から遅くまで撮影があったりでしたが、祖母のおかげでこまめに返事を書くことができました。そういった意味では、僕らの一番のファンは間違いなく祖母なんです(笑)」 家族に支えられながら、学校と俳優業を両立。だが、過酷な日々だった。 「普通のドラマの現場と違って、『キッズ・ウォー』は25シーンくらいを長時間で一気にまとめて撮影していたんです。それでも授業についていくため、勉強の時間も取らないといけなかった。テスト期間は新幹線の中で主演の井上真央ちゃんと勉強しながら、現場に向かったこともありました。」 その後も、慶太とともに映画『タッチ』やTBS系連続ドラマ『3年B組金八先生』など多くのドラマに出演。2人で順調な歩みに見えていたが、悩みもあったという。 「双子役でのオファーは多くあっても、一人で呼ばれることは少なくなりました。ですが、20代前半、2011年にハリウッド映画『スコット・ピルグリム vs ザ・ワールド』には、主人公の敵役として2人そろって出演することができました。その時は『双子に生まれて良かった』と改めて思いました」