2ヵ月でドル円は20円も下落。円高・株安はまだまだ続くのか?
円安が近年の株高を演出してきたかと思えば、3月下旬から1ヵ月ほどは円安・株安となり、そして今夏は円高・株安に! 為替と株価は影響し合うと聞いてたけど、チグハグすぎてワケわからん!(泣) 今、いったい何が起きている? そして今後はどうなる? ズバッと解説! 【図表②】日経平均株価とS&P500の関係 ■ドル円レートの動きは○○に連動している 世界中が空前の猛暑に襲われた今夏、日本の金融市場も灼熱にあてられたかのような激動が続いた。まずは為替。7月初頭に1ドル=162円に迫ったドル円レートは、2ヵ月後の9月16日には一時140円を割り込む猛烈な円高となった。 8月初頭には、株価も大きく動く。日経平均は値を崩し始めた8月1日から5日までで、7323円もの大暴落を演じたのだ。中でも下げ幅が最大だった5日は「令和のブラックマンデー」として金融史に刻まれる一日となった。 ここで疑問なのは、為替と株価の関係だ。直近は円高・株安に動いたが、その前の約1年半はおおむね円安・株高で推移してきた。さらにこのさなか、今年の3月下旬から4月下旬にかけては円安と日経平均約3000円下落が同時に進行する円安・株安の局面まで発生していた。 なぜ不安定な相場が続いているのか? ストラテジストとして世界経済の分析を行なうカツキタロウ氏にこの謎を解きほぐしてもらった。まずは、そもそも今回の円高が起こった背景について。 「ひと言で言えば、『あるべき位置に戻った』になります。たとえるなら、伸びきっていたゴムの端から手を離したら一瞬で縮んで元どおりになった、みたいな話です」 実は近年のドル円レートは図表①のとおり、日米の実質金利差にほぼほぼ連動している。実質金利とは、その国の満期10年の国債金利から物価上昇率を差し引いた数値だ。 「一般的に、お金の流れは金利が低い国から高い国へと動きます。米国の金利が上昇して日米の実質金利差が拡大する時期には、円をドルに替える動きが強まって、ドル円レートは円安に振れやすくなるんです」 図表①の左端から24年5月まで、太線がおおむね右肩上がりになっている時期には、細線のドル円レートもそれに沿った動きをしていることが見て取れる。われわれの生活をも大きく左右する為替レートは、実は金利差というガイドに沿って動いていたわけだ。