西山朋佳女流三冠、棋士編入試験第2局は黒星 試験官・山川泰熙四段に敗れ通算成績は1勝1敗に
将棋の西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将、29)が挑む棋士編入試験第2局が10月2日に東京・渋谷区の将棋会館で行われ、試験官の山川泰熙四段(26)に104手で敗れた。 【映像】西山女流三冠、終局後の表情 この結果、試験通算成績成績は1勝1敗に。合格には五番勝負で3勝が必要となるため、史上初「女性の棋士」誕生に向けた挑戦には残り3戦で2勝が必要となる。注目の第3局は、前期新人王の上野裕寿四段(21)と対戦する。 西山女流三冠の先手中飛車で始まった本局は、後手の山川四段が居飛車で急戦を志向。先手から積極的に仕掛けて早々に戦いに突入した。激しい戦いの中では、互いに主導権を握るべく長考合戦に。ペースを握られる形となった西山女流三冠だったが、粘り強い指し回しを見せ、玉頭戦へと持ち込んだ。 試験官を務めた山川四段も、一歩も譲らぬとばかりに正確な指し手を重ねて相手の力を封じる展開に。西山女流三冠も勝負手を放ち山川四段に食いついて行ったが、形勢逆転には至らず。山川四段の丁寧な指し手に押し切られ、西山女流三冠が静かに投了を告げた。 黒星を喫した西山女流三冠は、「中盤で指された手がどう指しても苦しいと思っていて、早々に悪くしてしまったと思っていた。経験のあった形だったが、本譜は精度の低い手を重ねてしまった」とコメント。「次は公式戦でも活躍されている上野さんとなりますが、充実されている印象もあるので、しっかり実力を出せる状態に持って行きたいなと思っています」と次戦を見据えていた。 一方、棋士の貫禄を示した山川四段は「ずっと難しい将棋だと思っていた。読みにない手も指され、自分自身も得るものがあった一局だった」と総括。西山女流三冠には「序盤も洗練されていて、中終盤は西山調の力強い指し手だったり、読みの精度の高さを感じた」と印象を語っていた。 この結果、西山女流三冠の試験成績は1勝1敗に。試験対局は月1回のペースで予定されているが、保持する女流タイトルの白玲戦に加えて10月5日には女流王将戦も開幕するため、ハードスケジュール下に身を置く。いずれも重要対局とあり、西山女流三冠がどのように乗り越えていくのかにも注目したい。 試験第3局は前期の新人王覇者で、今期の加古川青流戦の決勝戦にも駒を進めている若手強豪・上野裕寿四段(21)が試験官を務める。 (ABEMA/将棋チャンネルより)