県庁で会見を開き、兵庫県知事を失職して再出馬すると発表した斎藤元彦知事

　兵庫県議会で不信任決議を受けた斎藤元彦知事が26日、県庁で記者会見を開き、30日付で自動失職した上で、今後の出直し選挙に出馬する意向を表明した。 【写真あり】“おねだり”疑惑の兵庫・斎藤知事　ズワイガニを手に笑顔 　問題となった当時の同県民局長の告発文書。なぜ告発されたかを考えたか、と問われた斎藤氏は「亡くなられたことは残念で悲しいが、百条委員会などでなぜ文書を作成されたのかを直接聞きたかった。文書を見たときに、私としては誹謗（ひぼう）中傷性の高い文書だと認識したので、どうしてこういうものを書いたのか分からず、それを聞きたかった」と話した。 　告発者が命を絶ったことに、「1人の人が亡くなったということが大変重い事実。大変悲しいし残念な思いでいます。元局長に対してはそういった思いです」とし、遺族への謝罪については、「相手があることですから。お悔やみは会見でも申し上げています。相手のご意向次第ですが、お悔やみを申し上げに行きたい思いはある」と話した 　不信任決議について、政策への不信任ではなく、知事の資質への不信任決議だという厳しい指摘については、「人間として決して完璧でないが、自分としては一生懸命やってきた3年間でした。資質がないという指摘は残念。それでも自分の言動や対応に問題があるなら申し訳ないと思いますし、自分の良くない点をしっかり、生まれ変わって改めていかないといけないと思ってます。県民の皆さんに、それでも斎藤に県政を担わせるか担わせないかをご判断いただければいいと思っています」と返答した。 　不信任決議後、テレビ出演など露出が激増。出直し選に向けての戦略では？との質問には、「そんなことはないです」と否定した。 　疑惑告発文書問題を巡り県議会で19日に不信任決議が可決されたのを受け、斎藤氏は25日、記者団の取材に「最後の覚悟をどうするかだ。すごく悩んでいる」と語っていた。 　不信任決議は19日の議会開会日に全会一致で可決。斎藤氏は地方自治法に基づき可決から10日となる29日までに解散しなければ自動失職する。50日以内に知事選が実施される。 　一連の問題は県西播磨県民局長だった男性が3月、パワハラ疑惑などを告発する文書を作り報道機関などに配ったのが発端となった。県の公益通報窓口にも通報したが、県は内部調査を進め文書を誹謗中傷と認定。男性は停職3カ月の処分を受け、7月に死亡した。 　疑惑を検証する県議会の調査特別委員会（百条委員会）では、通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法に違反するとの指摘が噴出。尋問に応じた職員らが斎藤氏のパワハラや贈答品受領について証言した。