坂口健太郎×イ・セヨンが振り返る5年という歳月「5年前、私の人生は変わりました!」
小説があったから、潤吾の想いが褪せることはなかった
――ホンと潤吾は5年の時を経て再会します。5年というのは長い月日のように感じますが、5年前の自分のことをお二人は覚えていますか。 坂口 覚えてないなあ。2019年ということは、ちょうど『イノセンス』とかをやってた時期ってことですよね。忙しかったことは覚えているけど、何を考えていたかは全然覚えていない。 イ・セヨン 私は覚えています。 坂口 本当に? イ・セヨン どうしてかというと、私、5年前からサッカーが大好きになったんです。サッカーを好きになって私の人生は変わりましたね。心がヘルシーになったしポジティブになった! 坂口 そっか。5年前からなんですね。 イ・セヨン この作品の撮影中もトーナメント戦のサッカーの試合があって、勝ち上がっていけば韓国と日本が試合することになる予定だったのですごく楽しみにしていたんですが、実現しなくて…。とても残念で、次の日、現場で暗い表情でその話を健太郎さんにしたら「そういうことがあったんですね」と優しく声をかけてくれました。 坂口 あったね。現場のスタッフさんもサッカー好きな人が多くて。仕事をしながら、試合の映像を観たり。 イ・セヨン 私も観ていました(笑)。 坂口 夢中だったもんね(笑)。 イ・セヨン 仕事中なので、あんまり褒められたことではないかもしれないですけど、サッカーは私の人生で何よりも大切なものだから(笑)。 坂口 そういう時間も大事ですよ。質問に話を戻すと、確かに5年という月日はすごく長くて。その間、距離も離れていたのにずっとホンのことを想い続けた潤吾に対して、はたして僕ならできるだろうかと思ったんですね。特に潤吾の場合、5年ぶりに再会したときにまるで昨日のことのようにきらめく思い出の数々が甦ってきて。きっと潤吾があれだけ一途に想い続けられたのは、彼が小説を書いていたからだと思ったんです。ホンをモデルに書き続けた時間があったから潤吾の想いは褪せることはなかった。小説を書く時間こそが潤吾が最愛の人を想い続けられる時間だったんだろうなと感じました。 取材・文:横川良明 <作品情報> 『愛のあとにくるもの』 Prime Videoにて配信中 (C)2024 Coupang Play All Rights Reserved