ついにカタログモデルへ!国内唯一「純正キャンピングカー」日産キャラバン・マイルームへの期待と課題
ただし、日産は「キャラバン マイルーム=キャンピングカー」とは明言していない。コロナ禍を経て、日本市場でもクルマを活用したライフスタイルの多様化が進む中で、キャラバンという「舞台」を活用した「新しい提案」という位置付けなのである。 ■2倍近い新車価格とリセール 筆者自身も、ハイエースをベースとした、いわゆるライトキャンパーを日常的に利用しており、近年のキャンピングカー市場周辺の動きを肌感覚で捉えてきた。今回の横浜に限らず、キャンピングカー関連展示会も全国各地で定常的に取材している。
そうした中で、キャラバン マイルームの課題について私見を述べたい。課題は、大きく2つある。ひとつは、リセールバリュー(再販価値)だ。 新車価格は、折りたたみベッド仕様のガソリン2WDで、551万6500円。跳ね上げベッドのディーゼル4WDで685万5200円となる。 比較として紹介すると、通常モデルのキャラバンでは、ロングボディ・標準幅・標準ルーフ5人乗りガソリン2WDで、335万1700円となり、マイルームとの価格差は大きい。
こうしたキャラバン マイルームの付加価値が、数年後のリセールバリューにどのように反映するのか。 キャンピングカー専門事業者が手掛ける、キャラバンやハイエースなどをベース車とした、いわゆるバンコン(バンコンバージョン)は、モノによってはかなり高いリセールバリューを維持している。 リセールバリューは端的に、市場での人気のバロメーターであるため、キャラバン マイルームについては未知数である。 もうひとつが、「使える場所」だ。日産のカタログを見ると、大自然の中で、自分の部屋が楽しめるというイメージを訴求している。
だが、実際にキャンピングカー、またはそれに近いカタチのクルマを長時間駐車して自然環境を楽しめる場所は、日本では限定的だと言わざるを得ない。 ■課題はあるが期待が持てる 例えば、道の駅は、あくまでも移動中の休憩所と国土交通省は位置付けており、ごく一部を除いて、道の駅での車中泊や、車外に椅子やテーブルなどを出してくつろぐことは認められていない。 高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)については、NEXCO東日本・中日本・西日本、および首都高速に対して車中泊に対する捉え方について、筆者が回答を求めたことがある。