【なぜ?】遺族年金は「妻が専業主婦」だったら夫に受給権はない?ケース別に解説
少し前、「遺族年金の廃止」がSNSでトレンドになりました。 実際には誤解で廃止の検討はされていませんが、これを機に興味を持った方もいるでしょう。遺族年金は、配偶者が亡くなった場合に支払われる年金制度です。 【図で解説】遺族厚生年金の受給対象者の優先順位は?夫は55歳以上が対象に では、妻が専業主婦だった場合には、夫に遺族年金は支払われるのでしょうか。 今回は、専業主婦の妻に先立たれた夫が遺族年金を支払われるか解説します。 記事の後半では、遺族年金の支給額についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
遺族年金とは?
遺族年金は、主に家計を支える人が亡くなった場合に支払われる年金です。 遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。 ・遺族基礎年金:国民年金保険に加入している場合に支給 ・遺族厚生年金:厚生年金保険に加入している場合に支給 遺族基礎年金は、子どものいる配偶者や子どもに支給されます。 ただし、18歳以下の子ども、または20歳未満で障害等級1級または2級の子どもがいる場合が対象です。 一方で、遺族厚生年金の受給対象者には、優先順位があります。 優先順位は、以下の通りです。 ・子のある配偶者・子 ・子のない配偶者 ・父母 ・孫 ・祖父母 遺族基礎年金は子どものいる配偶者や子どもに支給されますが、遺族厚生年金は父母や孫、祖父母も受給対象となります。 以上から、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給対象者に違いがありました。 では、専業主婦の妻に先立たれた場合、夫は遺族年金を受け取れるのでしょうか。 夫が受け取れる遺族年金について確認しましょう。
夫がもらえる遺族年金
専業主婦の妻は、国民年金の第三号被保険者です。そのため、原則として夫には遺族基礎年金が支給されます。 では、過去に厚生年金に加入していて、その後に専業主婦となった場合はどうなるのでしょうか。 専業主婦で遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されるケースに分けて解説します。 ●遺族基礎年金が支給されるケース 遺族基礎年金が支払われるのは、18歳以下の子ども、または20歳未満で障害等級1級か2級の子どもがいる場合です。 ただし、以下のように遺族基礎年金が支給されないケースもあるので、注意しましょう。 ・夫の年収が850万円を超えている場合 ・生計を同じにしていない場合 ・夫が再婚した場合 では、専業主婦の妻が先立たれた場合に遺族厚生年金が支給されるケースを確認しましょう。 ●遺族厚生年金が支給されるケース 専業主婦の妻に先立たれた場合、遺族厚生年金が支給されるケースは以下の通りです。 国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間の合算対象期間が25年以上ある 厚生年金の受給権者または受給資格を満たしている しかし、遺族厚生年金も支給されないケースがあります。 遺族厚生年金が受給できない具体的なケースは、以下の通りです。 ・子どものいない夫の場合、妻が亡くなった時点で55歳未満(受給開始年齢は60歳以降) ・夫の年収が850万円を超えている場合 ・夫が再婚した場合 以上から、専業主婦でも過去に厚生年金に加入していた場合は、遺族厚生年金が支給される可能性があります。 では、実際に遺族年金の支給額がいくらになるのか確認しましょう。