京都東山と祇園、和洋の粋出合うラグジュアリーホテル泊 美食・古美術散歩で憩う
■天然温泉やサウナ、トリートメントでリフレッシュ
宿泊者は東山・祇園エリアでは唯一となる内湯と露天風呂を備えた天然温泉の大浴場や、24時間制フィットネスを無料で使うことができる。別途料金がかかるが、バンヤンツリーのスパといえば高い技術や自然な素材を使った施術が有名だ。「バンヤンツリー・東山 京都」では、そこに天然温泉が加わって、独自のトリートメント体験ができる。 メニューの一つ「ONSENインダルジェンス」は、スチームサウナを含む60分間のプライベート温泉体験の後、手技などが異なる5つのスタイルから1つを選んで60分間の全身トリートメントを受けられる(5万円、税・サービス料込み)。温泉とスチームサウナ、深いリラクセーションの得られた施術後は肌もツルツルに磨かれ、心身共にリフレッシュできた。 日が落ちると幽玄ともいえる雰囲気を醸し出す能舞台。海外発のリゾートが造り上げた宿は、自然に囲まれて日本の伝統美や文化をしみじみと味わう贅沢(ぜいたく)な時間を与えてくれた。大人2人1室、1泊2食付き1人19万円から。消費税・サービス料込み、宿泊税・入湯税別途。
■古美術商街にたたずむ全9室のパーソナルな宿 「THE SHINMONZEN」
祇園の北端にある新門前通は、東大路通から大和大路通の間を結ぶ道だ。にぎやかな祇園の一角にありながら、静けさを保つ通りには古美術や骨董の店が軒を連ねる。趣のある路地の奥に入り口があり、初めて訪れるにはちょっと勇気がいる。 そんな新門前通を流れるせせらぎ、白川のほとりに立つわずか9室のラグジュアリーなブティックホテルが「THE SHINMONZEN」だ。 ゲスト一人ひとりの希望に寄り添うおもてなし、安藤忠雄氏による美しい町家、館内を飾る現代アートの作品と上質なインテリア、そしてモダンフレンチの巨匠ジャン-ジョルジュ氏のダイニングなど上質の粋を集め、グルメガイドでなじみ深いフランスのタイヤメーカー、ミシュランが2024年に国内で選定を始めた「ガイドホテルセレクション」で2ミシュランキーを獲得した。 安藤氏が揮毫(きごう)した「S」ののれんをくぐり、打ちっ放しのアプローチからロビーへ。オーナーが江戸時代から続く名旅館として知られる「俵屋旅館」のライブラリーにインスパイアされた空間を、ドイツのゲルハルト・リヒター氏や英国のダミアン・ハースト氏などの現代アートや美しい日本刀が飾る。 客室は40平方メートルから80平方メートル。竹や漆など自然素材を用いたナチュラルな空間の中に、英国の国際的アーティストであるアニー・モリス氏やポール・マッカートニー氏の娘で写真家のメアリー・アンナ・マッカートニー氏、杉本博司氏から清川あさみ氏まで現代を代表する作品がさりげなく飾られており、アート好きにはたまらない。 「THE SHINMONZEN」のオーナーは、アイルランド人で南仏プロヴァンスでは広大なワイナリーとホテルを経営する。現代アートのコレクターでもあるが、日本の古美術にも深い関心があり、この地が注目される核にホテルがなればという気持ちからホテル名を決めたという。