米軍岩国基地に配備予定のオスプレイ、岩国市長が搭乗「安全性や騒音状況を確認できた」…改めて容認意向
米軍岩国基地(山口県岩国市)に米海軍の艦載機として輸送機「CMV22オスプレイ」などを年内に配備する米軍の計画に関連し、岩国市の福田良彦市長は10日、艦載機を運用する原子力空母「ジョージ・ワシントン」上で同機種の活動を視察した。取材に「安全性や騒音状況を確認できた。反対を申し上げることはない」と述べ、既存機種からの更新配備を容認する意向を改めて示した。(帆足英夫) 【写真】空母で視察する福田市長(手前左)(代表撮影)
福田市長はこの日、オスプレイに搭乗。岩国基地と日本近海洋上の同空母間を片道約2時間かけて往復した。福田市長は「音も大きく振動もあるが、危険を感じることはなかった」と述べた。
計画によると、岩国基地配備の艦載機のうち、C2輸送機を4機程度のCMV22に、四つの戦闘攻撃飛行隊のうち、1飛行隊を14機程度の最新鋭ステルス戦闘機「F35C」に変更する。空母上ではF35Cも視察し、「岩国基地に配備済みのF35Bと騒音は変わらない、と米軍から説明があった」と話した。
福田市長からは、米軍幹部に、騒音軽減の努力など、基地周辺住民の生活環境に最大限配慮した運用を要請した。米軍幹部は「地元に最大限配慮した運用を心がける。『良き隣人』であるための努力を続ける」と返答。激しい騒音が懸念される艦載機の離着陸訓練(FCLP)については「岩国基地で行う予定はない」と述べたという。福田市長は「直接お願いをすることができ、意義深い視察だった」とコメントした。
外務省によると、同空母は配備先の米海軍横須賀基地(神奈川県)に今月中下旬に入港する予定で、オスプレイなどの艦載機はそれに先立ち、岩国基地に到着することになっている。