米兵器でのロシア領攻撃、バイデン政権がハルキウ防衛に限り容認
ジョー・バイデン米大統領は、ウクライナが米国から供与された兵器を使ってロシア領内を攻撃することを、北東部ハルキウ市の周辺地域を防衛する目的に限って容認した。AP通信や政治専門メディア「ポリティコ」が30日、米当局者の話として報じた。 バイデン政権は米国供与の兵器によるロシア領内への攻撃に一貫して反対してきたが、ハルキウ方面に進撃してきたロシア軍の撃退にウクライナ側が苦闘するなか、大きな例外を認めたかたちだ。 ウクライナ軍はハルキウ周辺で、攻撃中あるいは攻撃の準備をしているロシア軍に反撃するために、米国から送られた兵器を「対射撃目的」で使うことが可能になる。 ウクライナがロシアのほかの地域に対する攻撃に米国供与の長射程兵器を使用することは、依然として認められていないという。 ウクライナ第2の都市でロシアとの国境に近いハルキウ市は現在、ロシアが始めて2年3カ月たつ全面侵攻で焦点のひとつになっている。ロシア軍は5月上旬、同市をうかがう新たな攻撃を開始し、ウクライナ軍は周辺の村や都市に増援部隊を送って防戦している。 バイデン政権は4月下旬、米議会の強硬右派の共和党議員グループによって阻まれていた610億ドル(約9兆6000億円)近くのウクライナ追加支援を成立させた。以後、複数のウクライナ向け支援パッケージを発表している。
Brian Bushard