きょうマイナ保険証に「一本化」、従来型も最長1年有効
現行の健康保険証は2日に新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に原則として移行する。混乱を回避するため、従来の保険証は2025年12月1日までの最長1年間使用できる。マイナ保険証の利用は低迷しており、円滑な移行には今後、利用の促進をどこまで図ることができるかが課題となる。 【図】一目でわかる…マイナ保険証利用者の電子カルテを病院間で共有する仕組み
マイナ保険証の利用登録は、10月時点で7747万人が手続きを済ませている。全国の医療機関や薬局の92%(9月時点)がマイナ保険証に対応する。
従来の保険証の使用は、市区町村が運営する国民健康保険と後期高齢者医療保険では来夏までが基本で、会社員らが入る健康保険組合や全国健康保険協会は最長の1年間になる。
従来の保険証の期限切れ前に、マイナ保険証を持っていない人や、マイナカードを保険証として利用登録していない人には、申請しなくても健保組合などから「資格確認書」が交付される。病院で提示すれば、従来の保険証と同じように保険診療を受けられる。
マイナ保険証を使った場合、本人が同意すれば、医師は病院の受診歴や処方薬の履歴を確認できる。従来は新規加入や転居・転職時に新たに保険証を発行してもらう必要があったが、マイナ保険証は継続して利用できるメリットもある。
ただ、他人の情報がひも付けられたトラブルなどの影響で、マイナ保険証の利用率は10月時点で15%にとどまっている。高齢者を中心に不安を抱く人が多く、政府は国民の不安払拭(ふっしょく)に向け、利便性の理解につながる情報提供に力を入れる方針だ。