JALと東科大「新搭乗方式」は何がどうスゴい?ANAとの違いを教授に聞いた
遅延防止で年間75億円のコスト削減に
技術的アプローチが今後も航空業界において、定時性向上に寄与することは間違いない。新しい搭乗方式をワイドボディ機材に導入することで、従来の方式に比べ、機内の混雑が緩和され、搭乗にかかる時間の短縮が期待されている。JALが国内線の主力機として運航するエアバスA350-900型機におけるシミュレーションでは、平均20分だった搭乗時間が約50秒短縮されることが分かったという。 「海外の研究では、遅延を防止することによって年間5,000万ドル(75億円)のコストが削減できるという報告もあります。今回の観測調査によって、搭乗方式をモデル化することに成功しました。これを論文として発表できることを楽しみにしています。また、搭乗中の旅客の流れでは、手荷物収納にかかる時間が長いことが分かりました。今後は、手荷物を減らすことで効率性を向上させるというアプローチも考えられるでしょう。いずれ国際線やナローボディ機でも応用できると考えています」(大佛氏)
執筆:航空ジャーナリスト 北島 幸司