「難関校以外」の出身者でもコンサルに入れる!?面接官に「デキる」と思わせる奥の手とは
コンサルファームの中途採用を受けるに当たって、出身校の偏差値が高いに越したことはない。だが、「難関校以外」の出身者にもチャンスはある。面接で採用担当者が見ているポイントと、「この人は仕事ができる!」と思わせる方法とは?独立系コンサルの現役社長が徹底解説する。(森経営コンサルティング代表取締役 森 泰一郎) 【画像】スライドがキレイなコンサルが“一流”だとは限らない ● 「コンサル業界=学歴主義」って本当? 独立系コンサル社長の答えとは 本連載ではこれまで、コンサルティング業界の内情や「活躍できる人・できない人」の差について論じてきた。すると他業界の読者から、次のような質問をいただく機会が増えた。 「コンサルファームに転職したいのですが、この業界は本当に学歴主義なんですか?」 「コンサルファームでは、どんな人が選考に受かりやすいんですか?」 もしかすると、他業界では「コンサルの中途採用は狭き門」といった漠然としたイメージが一人歩きしており、選考を突破できる人材の特徴は知られていないのかもしれない。 そこで今回は、コンサルファームの中途選考で重視される要素を3つにまとめ、皆さんにご紹介する。コンサル未経験者の参考になれば幸いだ。 早速だが、その「3つのポイント」は以下の通りである。 (1)過去に受けてきた教育/取り組んできた学習 (2)数字を扱うセンス (3)タフさ それでは、順番に掘り下げていこう。まずは1つ目。筆者がこの項目を「学歴」と書かなかったことには理由がある。確かにコンサルの中途採用を受けるに当たって、出身校(高校・大学・大学院)の偏差値が高いに越したことはない。だが、難関校「以外」の出身者でもコンサルファームに入社できる可能性はある。 学歴の差をものともせず、コンサルの選考を勝ち抜けるのはどんな人なのか――。
● コンサル業界の採用で 高学歴の人が優遇されるワケ その問いに答える前に、まずはコンサル業界における「学歴主義」の実態についてお伝えしておきたい。先ほど「出身校の偏差値が高いに越したことはない」と書いたが、それにはれっきとした理由がある。 コンサルの仕事は短期間のうちに顧客企業の問題点を把握し、改善策を練って実行しなければならない。その上で「業績アップ」「生産性向上」といった目に見える成果を提供する必要がある。 これらを実践するには、「顧客企業を取り巻く状況や、ビジネスモデルの長所・短所を素早くインプットする」「説得力のある改善策を素早くアウトプットする」「PDCAを回し続ける」といったスキルが必須になる。 もちろん、人間の能力を測る上で「出身校の偏差値」が全てではない。だが面接官の立場に立ってみると、膨大な候補者をふるいにかけ、たった一度の書類選考や数回の面接で上記の能力を知るには、どうしても出身校を基準にせざるを得ないのが現実なのだ。 やはり難関校の出身者は、受験生時代から「自分の強みと弱みを把握する」「弱点を克服するために知識をインプットする」「模試や定期試験でアウトプットする」「結果を踏まえて、さらなる改善策を練る」といった取り組みができていることが多い。 これらはコンサルの業務との共通点が多いため、採用基準としてあながち間違っているわけではないのだ。 では、学歴の差をものともせず、コンサルの選考を勝ち抜けるのはどんな人かというと、1つは大学の体育会(部活動)で目覚ましい活躍をおさめ、全国大会などへの出場経験があるケースだ。こうした人材はトレーニングや試合を通じて、上記の「PDCAを回して成果を挙げる」という経験を積んでいるから、学歴に多少不安があってもうまくいくことがある。 スポーツで実績のある人材は、客先で先輩コンサルから「この新人、実はボクシングで日本一になっていて……」などと紹介されて場が盛り上がることも多い。突出したスポーツ経験は、いわゆる「アイスブレイク」としても最適なのである。