脊髄梗塞を発症した“ひろみちお兄さん”佐藤弘道「1人で抱えていたら、たぶん今ここにいなかった」SNSの応援コメントと妻へ感謝
SNSの応援コメントが励みに「1人だったら今ここにいない」
――家族や周りから多くの応援があったと思います。特に響いた言葉はありますか? 弘道:息子たちの「生きてるからいいじゃん」という言葉ですね。生きてさえいれば、何かできることや可能性が増えていくかもしれないと思えました。 あとはやっぱり、 SNSで発表したときにいただいた、たくさんの励ましのメッセージです。脊髄梗塞は稀(まれ)な病気なのですが、「私も脊髄梗塞になりました。発症して何年も経ちますが、今は海外旅行もしていますよ」とか「10歳の息子が脊髄梗塞になり、今リハビリをすごく頑張っています。ひろみちお兄さんも頑張ってください」という声をいただいて。 同じ病気の方々が回復したり、頑張ったりしていることを教えていただいたので、僕も皆さんに近づけるんじゃないかなと思って、それが励みになりました。もし1人で抱えていたら、たぶん今ここに僕はいないと思います。
「本当に心強い」不安を払拭してくれた妻の言葉とは
――久美子さんにとって、弘道さんの印象な言葉はありますか? 弘道:最初の頃は、ネガティブなことしか言わなかったよね(苦笑)。 久美子:「一生迷惑かける、どうしよう」とか「ごめんね」みたいな言葉ばっかり続いていました。でもやっぱり、息子たちから「生きてるからいいじゃん」と言われて、急に変わったと思います。 弘道さんから「頑張る」という言葉が出たときに「あ、もう大丈夫かな」と思いました。息子たちも「パパ、もう大丈夫じゃない?」って。本音や弱音を出すことも大事ですが、やっぱり「もうダメだ」が「まだできることがあるかもしれないから、頑張る」に変わったときが、一番嬉しかったですね。 ――今回の出来事を経て、夫婦の関係性は何か変化しましたか? 弘道:仲良くなったかな。 久美子:これまで一緒に過ごす時間が少なかったのですが、今はほぼ毎日、家にいてくれます。『おかあさんといっしょ』(NHK)に出演していた頃もですし、辞めたあとも全国を飛び回っていて、いつどこに行っているのか分からないような生活だった人が、今はほぼ家にいるんですよ。私たちの、この何十年の生活で初めてです。 弘道:もともと、家族のありがたさはずっと感じていましたし、そういう面で気持ちの変化はないです。ただ、今はテレビやラジオ出演、取材以外の仕事、たとえば講演会、研修会なんかは全然やっていないので「うち、生活大丈夫なのかな…」とずっと不安でした。 でも、妻が「大丈夫、大丈夫!なんとかなるから」と言ってくれて。本当に心強いです。夫婦で支え合っているというのを、今まで以上に感じるようになりました。