海外FA権申請の菅野智之にメジャーも注目、争奪戦に
米大リーグのGM会議は7日(日本時間8日)、開催地の米テキサス州サンアントニオで4日目を迎え、閉幕した。会議最終日に日本から飛び込んできたのが、巨人・菅野智之投手が、海外FA権行使を申請し、球団側に受理された一報だ。14日に正式公示され、15日から交渉解禁となる。投資額が比較的低く、実績十分の菅野は、球団財政事情に関わらず人気物件。関心を示しているパドレス、カブスに加え、レッドソックス、パイレーツなどが参戦するとみられる菅野争奪戦は、大きく拡大しそうだ。 先発補強を進めるレッドソックスのブレスローGMは「特定の選手については言及できない」としつつも、ターゲット像を問われ、「我々が注目するのは、パフォーマンスの安定感だ。空振りが取れるか。得点させない能力があるか。色々な球種を投げ、平均以上の制球力があれば、魅力的だ。一級品の球で、ストライクゾーンを攻めれるかに尽きる」。”和製マダックス”の異名を持つ菅野を念頭に置いたかのような発言を残した。先発ローテーションはベロを筆頭に3本柱がおり、ピベッタのクオリファイング・オファーの結果を待ちつつ、4、5番手を模索中。その中で、球の精度に着目して、補強を進めているという。 日本球界で12年。巨人のエースとして136勝の実績を持つ、菅野人気がジワジワと上昇している。あるア・リーグの首脳陣は「スガノは考慮すべき物件だ。魅力を感じるチームは、4年前より多いのでは」と語った。ポスティングシステムによる渡米を模索した4年前は、5年総額5000万ドルの攻防という報道も出た。結果的に、交渉は成立しなかったが、今オフFAの投手市場の1番手コービン・バーンズ投手が総額2億ドル(約306億円)の大型契約が予想される中、4年前は940万ドルを要したポステイング料もゼロ。短期契約で優良物件を求めるチームの間で、菅野が人気となっているという。 今季の選手層年俸が、メジャー29位だったパイレーツのチェリントンGMも「興味を持っている」と認め、「先発陣を底上げしたい球団に魅力があると思う」とした。菅野のNPB通算136勝は、2007年に39歳でパイレーツに入団した桑田真澄投手がメジャー挑戦時点でのNPB通算173勝に次ぐ2位となる。この日、ベースボール・ダイジェスト誌のナ・リーグ新人賞を獲得した剛腕スキーンズとは対称的な投球で、先発陣にバラエティーバリエーションも生まれる。GM会議は全日程を終了。交渉解禁となる『11・15』、いよいよ、菅野争奪戦のゴングが鳴る。
報知新聞社