ソフトバンク・宮川社長、スマホ料金の「行き過ぎた値下げ」に苦言。「売られた喧嘩は買うのが趣味」と対抗意識も
「(通信料の)行き過ぎた値下げ、中長期の目線で見ると『本当にいいのかな?』と思う」(ソフトバンク・宮川社長) 【全画像をみる】ソフトバンク・宮川社長、スマホ料金の「行き過ぎた値下げ」に苦言。「売られた喧嘩は買うのが趣味」と対抗意識も ソフトバンクの宮川潤一社長は、11月8日に開催した決算説明会の場で、通信キャリアの動きに苦言を呈した。 宮川氏が指摘する「行き過ぎた値下げ」とは、業界最大手であるNTTドコモ(以下、ドコモ)のオンライン専用プラン「ahamo(アハモ)」のプラン改定によって始まった流れのことを指す。 ソフトバンクは業界の流れに追随しつつ、独自の路線も探ろうとしている。
ドコモが先陣を切った値下げ競争
ドコモは約2カ月前の9月12日、ahamoで利用可能なデータ容量を月20GBから30GBに増量することを発表した。料金は月額2970円(税込)のままで変わらず、実質的な値下げとなった。 ドコモの意思決定は、結果的に「ドコモショック」ともいえる値下げ圧力として通信業界に広がっていくことになる。 KDDIと沖縄セルラーは10月17日、サブブランドの「UQ mobile」において、新料金プラン「コミコミプラン+」(月額3278円、税込)を発表。旧プラン「コミコミプラン」と料金は変わらないが、データ容量を月20GBから30GBにアップ。ドコモと同じ動きを取った形だ。 そして、3キャリアの中で最後に動いたのがソフトバンクだ。10月25日に、オンライン専用プラン「LINEMO(ラインモ)」の「LINEMOベストプランV」の改定を発表。データ利用量が月20GB以下なら月額2970円、20GB超過~30GB以下なら月額3960円だった2段階制のプランを、月額2970円で月30GBのデータを利用できるように統一した(料金はいずれも税込)。 ドコモが先陣を切った値下げ競争で、結果的に3社が同じような料金プランを用意することになった。 後塵を拝したように見えるソフトバンクだが、宮川氏は、 「動くか動かないか考えた。流れに少し抵抗してみたいと思ったが、耐えきれなくて動くことにした」 と語る。
松本和大