息子が「奨学金の支払いがきつい…」と助けを求めてきましたが、私も余裕がなく払えません。支払いが滞ると問題はありますか?
奨学金を借りて大学へ進学した人が、就職後の奨学金返済が生活の負担となり困っているという話はよく聞きます。本記事では、奨学金の返済を滞納した際のデメリットや、救済制度について解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金の返済を滞納するとブラックリストに登録される
奨学金の返済を滞納すると、個人信用情報機関にブラックリストとして登録される可能性があります。 ブラックリストへの登録は、奨学金の返済を行う際に提出する個人信用情報の取り扱いに関する同意書に基づいて行われることです。奨学金の返済が3ヶ月以上遅れた場合には、返済者の個人情報が個人信用情報機関に登録されます。このことを、「ブラックリストに登録される」といいます。 2019年度に奨学金を借りて、2023年10月から返済を開始した場合であれば、2024年4月以降に3ヶ月以上の延滞が発生した時点でブラックリストに登録されます。ブラックリストの判定は返済を開始してから6ヶ月経過した時点から毎月行われ、延滞が続く限り登録が削除されないことに注意しましょう。 登録される個人情報には、氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先などの基本情報に加え、奨学金の貸与額や最終返還期日などがあります。また、延滞や代位弁済、完済などの情報も登録されます。 ■ブラックリストに登録されるデメリット 個人信用情報機関に延滞者として登録されることは、いわゆるブラックリストへの登録とされています。金融機関やクレジットカード会社は、借り入れやクレジットカード申し込みの際に信用情報を確認し、本人に経済的信用があるかどうかチェックをします。 経済的信用が低いと判断されると、クレジットカードが発行できなかったり、すでに使用しているクレジットカードの利用が停止されたりすることがあるかもしれません。また、カーローンや住宅ローンなどの審査にも通りにくくなるでしょう。 一度ブラックリストに登録されると、延滞が解消された後も、最低5年間は信用情報機関に記録が残り続けてしまいます。つまり、返済が完了しても情報が残っているため、将来の金融取引に影響を与えかねません。奨学金の返済を滞納すれば将来の経済的な選択肢を大幅に狭めてしまうため、計画的に返済を行うことが大切です。