【就職ランキング】大学生が働きたい企業は? トップの会社は6連覇
就職・転職情報会社「学情」が、2025年卒業予定の大学生と大学院生を対象にした「就職人気企業ランキング」を発表しました(2023年11月27日)。調査結果を見ると、保護者世代が大学生だった当時の人気企業とは、顔ぶれがだいぶ異なるようです。就活サイト「あさがくナビ」福井洋平編集長が解説します。 【ランキング】親世代とは大違い?2001年度の就職人気TOP10は…
就職・転職情報会社「学情」による「就職人気企業ランキング」は、毎年恒例の調査です。ランキングは2023年4~10月、学情主催のイベントに来場した学生や「あさがくナビ」会員の学生を対象に実施したアンケートをもとに作成しています。就活を始めてまもない学生から見た人気企業ランキングとなります。 6年連続で1位を獲得したのは、総合商社大手の伊藤忠商事。続いて2位講談社、3位集英社、4位任天堂とコンテンツ産業が続く結果となっています。 伊藤忠商事をはじめとする大手総合商社は、円安や資源が値上がりしたこともあって、業績は好調。23年3月期決算では、三菱商事、三井物産、住友商事などが過去最高益をあげました。伊藤忠商事は22年3月期に達成した最高益は上回らなかったものの、エネルギー・化学品、食料、住生活、金属など多分野で大きく収益を伸ばしています。コンビニ大手のファミリーマートを傘下に持ち、伝統的にアパレル部門に強いなど、学生にも親しみのある分野に進出していることも人気の高い要因になっているとみられます。 伊藤忠商事は、13年に午後8時以降の残業を禁止し、仕事を朝型にシフトする「朝型勤務」を取り入れるなど、いち早く働き方改革への取り組みを続けてきました。社内の出生率は21年度で1.97と、東京都の1.08に比べて倍近くにまで向上しています。また同年、東京本社に隣接する敷地に「ITOCHU SDGs STUDIO」を開設するなど、SDGsについても積極的な情報発信を続けています。こういった点が評価され、女子学生対象のランキングで伊藤忠商事は3位と、他の総合商社に比べて高順位を獲得し、6年連続で総合ランキング1位という結果につながっています。 学情が23年6月に公表した調査では、半数以上の学生が仕事選びにおいて企業のSDGsに関する取り組みを意識し、さらに「企業がSDGsに取り組んでいることを知ると、志望度が上がる」と回答した学生が7割を超えました。学生の間にSDGsへの関心が浸透し、企業選びの軸にもなっているという変化が見られます。