ジャガーがブランド刷新…ただひとつ欠けているもの、それは車だ(海外)
ジャガーが新ブランドを発表したが、テスラのイーロン・マスクを含む多くの人々がこれをネット上で嘲笑している。 【全画像をみる】ジャガーがブランド刷新…ただひとつ欠けているもの、それは車だ 同社の新しい動画広告について、一部の保守的な人からは「やりすぎだ」との批判が寄せられている。 ジャガーは、2026年頃に予定されている完全電気自動車の発売に向けて、準備を進めている。 イギリスの高級自動車メーカー、ジャガー(Jaguar)は2024年11月19日、完全電気自動車の発売に先立って新生ジャガーブランドを発表した。テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)を含む一部のソーシャルメディア関係者はすぐにそれに反応した。 イギリスの王室や首相が愛用する車としても知られるこの象徴的なブランドの刷新には、「ジャガー」のロゴ文字の刷新、飛び跳ねるジャガーのマークの変更、そしてカラフルな新しい動画広告などが含まれている。 同社は「活気あふれるモダニズム(Exuberant Modernism)」に焦点を当てたまったく新しい創造哲学も発表した。これはあらゆるタッチポイントで「想像力豊かで、大胆で、芸術的」であることを意味すると同社は説明している。 ジャガーの最高クリエイティブ責任者(CCO)であるジェリー・マクガバン(Gerry McGovern)は声明の中で、同社の新しいビジョンは創業者の「ジャガーは何物の模倣でもあってはならない」という信念に触発されたものであると述べている。 しかし、同社が新しく発表した「活気あふれるモダニズム」は、特に同社の動画広告において、ネット上の一部の人々からは嘲笑されている。 ジャガーが公開した動画では、カラフルで超モダンなオートクチュールに身を包んだモデルたちがエレベーターから降り、壁にペイントしたり、大きなハンマーを抱えた後にピンク色の砂漠の岩の上に座る様子が映し出されている。「活気を創る(Create Exuberant)」「ビビッドに生きる(Live Vivid)」「平凡を消す(Dlete Ordinary)」などといったフレーズがモデルとともに画面に映し出される。 ジャガーがXに投稿した動画に、イーロン・マスクはこう投稿した。 「車は売っているのかい?」 ジャガーはマスクにXで「はい。ぜひお見せしたいです。2024年12月2日にマイアミで一緒にお茶でも飲みませんか? よろしくお願いいたします。ジャガーより」と返信している。 マスクはさらに返信した。 「新しい車のラインナップを見るのが楽しみだ」 ジャガーは、2024年12月に再出発の詳細を明らかにする予定だが、新しい電気自動車のモデルは2026年まで登場しないと述べている。 その一方で、イギリスのマージサイド州にある同社のヘイルウッド工場は内燃エンジン車の生産から撤退し、第二次世界大戦以来初めてイギリスでの新車の販売を停止している(在庫として残っているジャガーの現行モデルは販売されると同社の広報担当者は以前、Business Insiderに語っている)。 イギリスのランドローバー(Land Rover)ブランドとともにインドのタタ・モーターズ(Tata Motors)が所有するジャガーは、2021年に初めて電気自動車に全面参入することを発表し、ガソリン車の生産を段階的に縮小してきた。 ジャガーの電気自動車への移行に向けた新しいブランド戦略は、期待したほどスムーズには進んでいないかもしれない。ただ、この戦略がソーシャルメディア上で話題になったことは確かであり、それが狙いだったのではないかと言う人々もいる。 保守的な人物として知られるインターネットパーソナリティのイアン・マイルズ・チョン(Ian Miles Cheong)は、Xでジャガーの新ブランド戦略を激しく批判し、同社が掲げる「ウォーク・イデオロギー(woke ideology)」と、多様性(Diversity)の促進、公平性(Equity)のある待遇、包括的(Inclusion)な環境づくりを促進する取組みであるDEI施策の推進を非難している。 また、バージニア州下院の共和党議員ニック・フレイタス(Nick Freitas)はジャガーのXのアカウントに、「さて…我々はバドライト(Bud Light)の広告チームがどこに行ったかを知っている」と返信している。これは2023年、トランスジェンダーのインフルエンサーを起用したバドライトの広告に対して起こった反発に言及するものだ。 イギリスのクリエイティブ・レビュー(Creative Review)によると、ジャガーの新しいブランド戦略は、外部の代理店ではなく、自社のデザインチームによって作られているという。 しかし、ジャガーのブランド刷新の背後にあるその政治的な認識について同社を批判していたのは、広く知られた右派の著名人だけではなかった。この広告は奇妙で混乱を招くものだと批判する人々もいた。 マーケティングの専門家、ケビン・ダールストロム(Kevin Dahlstrom)は、別の視点から同社のブランド戦略を批判し、「これはリブランディングの『ズーランダー(Zoolander)』だ。パロディのように見える」とXに投稿し、さらに「キャッチフレーズの一つで『何も真似しない(Copy Nothing)』とあるが、なぜかすでに疲れていて古臭い感じがする。過ぎ去った時代のトレンドに基づいているようだ」と書いている。
Grace Eliza Goodwin