“結婚と出産”促す政策進める中国 急速に進む少子化で… 反発の声も
日テレNEWS NNN
かつては人口世界一だった中国。急速に進む少子化になんとか歯止めをかけようと、今、国を挙げて結婚や出産のメリットをアピールしています。ただ、やりすぎにもみえるその取り組みに反発の声もあがっています。
中国南部の湖南省・長沙市。街の中心部にある通りの入り口には「愛がこの街と出会う」の文字が。その通りには「長沙の恋は、超甘い」といった文字もありました。ハートや「恋愛・結婚」にまつわる言葉がいたるところにあり、見ているだけでちょっと恥ずかしくなりそうです。ちょうちんには「適齢期に結婚」「家庭を持つことは国家の利益」といった言葉まで。 実はこのエリアは、地元政府が「結婚を推進するため」に整備した、その名も「婚育文化街」。中国では今、こうした施設が次々に作られ、政府が若者の結婚と出産を強力に後押ししているのです。
その背景にあるのが深刻化する少子化問題です。11月に発表された、中国で今年1月から9月までに結婚した人の数は約475万組で、前の年の同じ時期より100万組近く減少し史上最低になりました。 2016年に「一人っ子政策」を撤廃した後も少子化に歯止めはかからず、生まれた子どもの数はこの7年間で約半分に。「子を増やすこと」が国家目標になっているのです。 ◇中国の出生数 2016年:1867万人 2023年: 902万人
「婚育文化街」のエリアの中にあったのは、若者向けに結婚と出産にまつわる情報を発信する施設です。 記者 「『結婚の学校』って書いてあります」 案内してくれた男性スタッフは… 施設スタッフ 「前向きに報道してくれ。国が重視する重要な宣伝なんだ。人口の急減少に国が打ち出した政策だ。『子どもは3人』」 “家族になったらすべきこと”を集めた展示では… 記者 「3人産む、が多い」 子どもを3人、若いうちにもうけることを猛烈に勧めています。
さらに根拠が分からないこんな発言も… 施設スタッフ 「精子と卵子が『黄金活躍期』にできた子どもは脳と体の発育が優れているんだ」 男性が妊娠の痛みを理解するため、電気を流して陣痛を疑似体験できる装置もありました。記者が体験してみると… 記者 「結構強いぞ、これで20%か」 こうした、ただ「子をもつこと」を強く促す政府の取り組みついて、女性からは… 「人口が減るのは女性の責任じゃないでしょ」 「ここに『結婚学校』があると『みんな早く結婚しろ』と言うのと同じです。逆効果で気分が悪くなります」 子どもをもつことを“国が押しつけている”と批判の声も上がっています。