名古屋生まれの中国人FWはなぜ3部リーグ挑戦を選択したのか 「チーム選びに成功した」と胸を張る訳【インタビュー】
ナツ・タツリュウはカテゴリーを下げ、中国3部広東広州豹での挑戦を選択
日本のサッカーファンのみなさま、こんにちは。久保田嶺です。昨年10月に「名古屋生まれの中国人FW、社会人リーグ→4部→3部→2部→1部のシンデレラストーリーの舞台裏」という記事を書きました。日本生まれの中国人FW夏達龍(ナツ・タツリュウ)がついに夢の舞台である中国スーパーリーグへ挑戦するというもので、多くの反響をいただきました。しかし、彼は今シーズン、中国3部の広東広州豹サッカークラブへと移籍してプレーしています。なぜ夢の1部リーグを離れ、3部でプレーすることになったのか、取材しました。 ◇ ◇ ◇ 【動画】中国人サポーターが日本人サポーターに向けて「バカ(Baka)」コールで煽り続けた決定的瞬間 今年のお正月、上海の龍華寺というお寺へ私が初詣に訪れている際に、ナツ選手から電話がありました。私たちは定期的に「Zoom」を介して情報交換をする仲ですが、今回のように彼のほうから電話をしてくることは珍しく、直感的に移籍のことかもしれないと電話を取りました。 「先ほどチーム(深セン新鵬城)から戦力外の連絡がありました。契約は残っていますが、新シーズンのメンバー構想に僕は入っていないようで。(1部)スーパーリーグの戦いに向けて外国人FWを獲得することが濃厚で、残っても出場時間は全くないと。とりあえず1月の海外キャンプには帯同しながら、新チームを探すことになりそうです」 私は正直に言うと、取材対象でもあり、友人でもあるナツ選手が中国スーパーリーグで戦う姿を期待していたこともあり、ショックを隠すことができませんでした。しかし、当の本人はあくまで前向きに受け止めている様子でした。 「残念ではありますが、レンタル移籍は十分あるかもと思っていました。そして、こういう難しい時はきっとよりいい経験ができるはずです。中国サッカー界の給与未払いやコロナ禍での隔離開催など、より厳しい経験を中国では乗り越えてきたので、今の僕には全然問題ありません。チームが決まったらまた話をしましょう」