AirPods Pro 2の「ヒアリング補助」で広がる新たな可能性、最も身近なイヤホンが実現する「機能」の意義
実際に、難聴というのは初期には気付きにくいものらしい。健康診断で『ピーピー』という音を聞く診断はあるが、筆者はこれまであまり気にしてこなかったのだが、AirPods Pro 2の『ヒアリングチェック』を試したみた。 この機能は、iPhone(またはiPad)と組み合わせて使い、健康診断と同じような『ピーピー』という音が鳴ったら、iPhoneの画面をタップするという方法で行う。筆者も試してみたが、『ピーピー』という音がかなりかすかになる領域までテストされるので、かなり静かな場所でやらないと、周囲の音も気になると思う(ノイズキャンセリングがあるとはいえ)。最後には、自分の呼吸音なども気になるぐらいなので、テストは夜の自宅などで行うのがよいと思う。
異常があれば、『ヒアリング補助機能』が動作するのだが、筆者は『異常なし』という結果しかでなかったので『ヒアリング補助機能』のテストはできない。 そこで、AirPods Pro 2のこの機能をレポートするために、難聴の友人に協力をお願いすることにした。 現在のところ『ヒアリングチェック』と『ヒアリング補助機能』が使えるのはAirPods Pro 2のみ。ファームウェア バージョン7B19以降にアップデートする必要がある。AirPodsのファームウェアは、手動でアップデートできず、無線LANに繋がるiPhoneと一緒に置いておくと、いつの間にかアップデートされるという仕組み。iPhoneは、iOS 18.1にアップデートする必要がある。
■『難聴』にも、さまざまな症状がある 取材に協力してくれたのは、ライター仲間の飯塚敦(はぴい)さん。累計1万食を食べ歩いたというカレーライター、フードジャーナリストで、テレビ、ラジオなどでも活躍中だ。 テック系の記事も書かれるので、よく取材などでご一緒するのだが、最近『中等度、高度の難聴になって、補聴器を作った』との話を聞いていた。取材時も、ちょっと聞きづらそうにしてらっしゃるし、多くの人がいる発表会などではつらそうにされていたので(補聴器が音を強調するので、雑音が多い場所はつらいらしい)心配していたのだ。