LEDの日亜化学工業・元従業員、232フォルダーの共有実験データなど削除疑い…家宅捜索受ける
世界的なLEDメーカーとして知られる日亜化学工業(本社・徳島県阿南市)の実験データなどを削除し、業務を妨害したとして、徳島県警は17日、同社横浜研究所(横浜市神奈川区)に勤務していた神奈川県葉山町の元従業員男性(40歳代)の自宅を電子計算機損壊等業務妨害の疑いで捜索した。 【写真】日亜化学、新型コロナウイルスを死滅させることができる高出力のLEDを開発
関係者によると、元従業員は2019年9月~21年7月、横浜研究所で勤務し、金属加工用のレーザー機器開発を担当。退職の際、同社から支給されたパソコンで作成したプログラムを使って、事業所内の共用パソコンに入っていた232フォルダー分の実験結果の記録やマニュアルなどを削除し、同社の業務を妨害した疑いが持たれている。
同社は23年2月、データの削除などで会社に損害が出たとして、元従業員らを相手取り、約2500万円の損害賠償を求める民事訴訟を徳島地裁に起こし、係争中。
同社は1956年に設立。93年に「20世紀中には困難」と言われていた高輝度青色LEDの開発・製品化に成功し、99年まで社員だった中村修二氏が2014年にノーベル物理学賞を受賞した。